絹弦ヴァイオリンについて
さて、不思議なご縁から一気に妄想が現実化している、私のシルク・ヴァイオリン計画。つまり、ヴァイオリンに絹弦を張って演奏するということ。
以前どなたかから、戦前のヴァイオリン・ブームの時に、ガット弦(当時は今のバロック・ヴァイオリンのようにみんな裸ガットを使っていた)が手に入らない時に、三味線の絹弦を代用したという話を聞きまして、いちおう邦洋両方のオリジナル主義を標榜してきたワタクシとしては、その当時の響きを再現したいと思っておりました。
もちろん、そのような試みをする方は世界で数人(!)いらっしゃるわけですが、再現だけでなく本気でこれからのヴァイオリンの弦の標準としてシルクを普及させようとしている人はそんなにいないでしょう。
たまたま知り合った(自称)琴糸職人さんが、このことに大変興味を持ってくれまして、これからいろいろなパターンで糸を撚ったり組んだりしてくれるとのこと。
伝統的な技と最新のテクノロジーをもってすれば、現今のガット弦よりも耐久性があり、そして音色の優れた弦が作れる可能性があります。コストもかなり低くすみそうですし。
そんなわけで、今、いろいろ歴史的なことを調べているのですが、国会図書館のデジタルコレクションで見ることができる、大塚寅蔵著「通俗 ヴァイオリン獨まなび 使用法ノ部(1909,明治42年)」に、興味深い記述があったので備忘のためここに記録しておきます。
当時も今も、舶来信仰が強いようです(笑)。このあと大正になるとE線にスチール弦を使うことが増えるようです。シルクからいきなりスチールかあ…なんだか、日本の工業化をなぞるようですね。
まあ、とにかく文献の上からも、明治時代にはヴァイオリンに絹糸を張っていたことがわかりました。この当時って、まだ西洋音楽に耳が慣れていなかったからでしょう、ヴァイオリンやオルガンで日本の曲(たとえば三曲)を演奏することが多かったんですよね。お琴とヴァイオリンとか。そのあたりの歴史も探ってみると面白そうです。
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