霊方山 薬王院 温泉寺 (加賀市山代温泉)
今日は仕事で山代温泉に宿泊。宿のすぐ近くにワタクシお目当てのお寺があります。自由時間に参拝してきました。
個人的な興味ポイントがいくつかあります。
まず、開基が行基と伝えられていること。白山信仰のもと、この地を訪れた行基が、不思議な烏に導かれて来てみると、そこに温泉が湧いていたと言います。そして、一宇を創建。薬師如来を祀ったようです。
温泉と薬師如来はよく結びつきます。もちろん「癒やし」という共通点があるからです。しっかり薬師瑠璃光如来の碑が立っておりました。
先ほどの「不思議な烏」は、よく見ると3本の足があったそうです。すなわち八咫烏だったわけですね。お隣の服部神社の手水に烏がおりましたが、足は…2本でした。あれ?
この温泉守護の寺、中興は明覚上人だそうです。この明覚がまた、私にとってはとても身近な存在でした。
国語学徒なら必ず習いますね。「五十音図」を発明したのは明覚上人だと。
明覚は比叡山の僧侶。空海、最澄を嗣ぐ天才です。天才というか努力家、勉強家でした。インドや中国の仏典や悉曇学、そして半切を研究している中、この山代温泉寺で発明したのが、日本語の「五十音図」なのです。約千年前、11世紀のことです。
明覚の五十音図は何種類かあり、母音の並びは現在と同じ「アイウエオ」ですが、子音の並びは現在とは違います。
とは言え、現在の五十音図がなぜ「アカサタナハマヤラワ」の順に並んでいるのかは、正直分かっていません。明覚発案の並びの方が、実は論理的だったりします。
一般的には、明覚は学問的な姿勢からこの五十音図を発明したと言われていますが、今日私はちょっと違った感じを受けました。やはり温泉、薬師如来の「癒やし」と、五十音図の言霊による「癒やし」に関係があるのではないでしょうか。そういう視点から五十音図を見直してみると面白いかもしれませんね。
あいうえお五十音図は明覚さんが映し出したことばの曼荼羅です。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 南部と津軽と甲州と…(2024.07.31)
- 死なない力(2024.07.18)
- 『今永昇太のピッチングバイブル』 (ベースボール・マガジン社)(2024.07.17)
- ハイデガーVS道元…哲学と仏教の交差するところに、はじめて立ち現れてきた「真理」とは?(2024.06.03)
- 日本語はどこから来た?(2024.06.01)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- いかりや長介と立川談志の対話(2024.08.19)
- 九州人による爆笑九州談義(筑紫哲也、タモリ、武田鉄矢)(2024.08.18)
- 全日本プロレス祭 アリーナ立川立飛大会(2024.08.17)
- 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』 武内英樹 監督作品(2024.08.16)
- ラモー 『優雅なインドの国々より未開人の踊り』(2024.08.12)
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 九州人による爆笑九州談義(筑紫哲也、タモリ、武田鉄矢)(2024.08.18)
- 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』 武内英樹 監督作品(2024.08.16)
- ラモー 『優雅なインドの国々より未開人の踊り』(2024.08.12)
- 『大鹿村騒動記』 阪本順治 監督作品(2024.08.11)
- 富士山と八ヶ岳のケンカ(2024.08.10)
「文学・言語」カテゴリの記事
- いかりや長介と立川談志の対話(2024.08.19)
- 九州人による爆笑九州談義(筑紫哲也、タモリ、武田鉄矢)(2024.08.18)
- 富士山と八ヶ岳のケンカ(2024.08.10)
- 上野三碑(こうずけさんぴ)(2024.08.06)
- 東北のネーミングセンス(2024.07.28)
「歴史・宗教」カテゴリの記事
- 九州人による爆笑九州談義(筑紫哲也、タモリ、武田鉄矢)(2024.08.18)
- 『もしも徳川家康が総理大臣になったら』 武内英樹 監督作品(2024.08.16)
- 【厳秘】大戦終末に関する帝国政府声明の骨子(その3)(2024.08.15)
- 【厳秘】大戦終末に関する帝国政府声明の骨子(その2)(2024.08.14)
- 【厳秘】大戦終末に関する帝国政府声明の骨子(その1)(2024.08.13)
コメント