『古事記の宇宙』 竹内睦泰 (青林堂ビジュアル)
今年初めに急逝された竹内先生。
第七十三世武内宿禰を名乗り、秘密口伝を継承していたと言う竹内先生。予備校の人気日本史講師でもあり、様々なシーンでぶっ飛んだ(?)活動をなさっていました。
当地の宮下文書について、少しお話したことがありますが、 お酒がお好きで、いつも酔っ払っているのか、それとも素面なのか分からない不思議な人でした。
この本でも秘密口伝の一部を公開していることもあり、彼の死には裏があるとの噂も絶えません。
ちょうど彼の死の1ヶ月前、別方向からとはいえ、やはり秘密口伝を公開していた出口恒さんもお亡くなりになっていましたので、そんな噂にも現実味があるというものです。
私も今、ある歴史的アーカイブの公開を目論んでいますから、せいぜい消されないように気をつけなければなりませんね(笑)。
それは冗談としても、この本で語られている「秘密口伝」の一部は実に興味深い。もちろん、宮下文書や出口王仁三郎の神話体系とも共通しているところ、補完しあっているところがありますから、、そういう意味でも面白い。
しかし、それ以上に、古事記の読み方というか、見え方を変えてしまう独特の語り口に魅力を感じましたね。彼の文体はまさに「語り」。口伝とは物語そのものであり、おそらく彼も長老たちからこのような語り口で教えられてきたのだろうなと、勝手にではありますが想像しました。
そう、近代的な「書き言葉」に最近ちょっと違和感があるんですよね。何か大切なモノが抜け落ちているような。
そういう意味では、まあこのブログも「語り」文体ではありますね。そう、私はいわゆる研究論文が書けないのは、やはりコトよりもモノを重視してしまうからなのでしょう。
では、なぜ「モノガタリ」ではなく「フルコトフミ」なのか。この謎を解くこともこれから重要ですね。
あらためてご冥福をお祈りします。
Amazon 古事記の宇宙
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