『とんかつDJアゲ太郎』 二宮健監督作品
まず一言。素晴らしい映画でした。新しいカタチのミュージカル映画ですね。実にテンポよく、無駄がなく、展開が心地よく、しかしメッセージはコッテリてんこ盛り。
まさにクラブ・ミュージックにとんかつが乗っかったような映画でした(そのまんま?)。
今回は、二宮監督とお知り合いだという友人からチケットをいただいて家族全員で鑑賞しました。私は原作もアニメも未見のため、純粋にストーリーを楽しんだのですが、私以外の女性陣3人はエラく感動したようで、「人生が変わった!このタイミングで観て良かった!」と興奮気味でした。
特に娘たち二人は「表現」することを仕事にしようか迷っている時期であり、この映画でさり気なく示されていた職業観、芸術論、音楽論、表現者のあり方、職人論などは、彼女たちに強く影響を与えたことでしょう。
映画というか、原作のストーリーとしてはいわば定型ですよね。マニアックな職業に焦点を当て、そこでの若者の成長の物語。そこに家族愛や友情、そして恋愛を絡めるという。
ただやはり、映画としてのリズム感、映像的な演出はかなり新しいと感じました。それは若手(まだ20代!)の監督の新しい感性だと思います。
正直お客さんの入りは芳しくなかったのですが、中規模のシアター全体がまるでクラブになったような雰囲気は味わえました。56の田舎のおっちゃんはなかなかクラブには行けません(昔の「クラブ」の方が得意?)。いい体験ができました(笑)。
そして、DJやってみたいと思いましたし、とんかつも揚げてみたいと思いました。そこは昔ながらの「映画効果」ですね!
当然ながら、鑑賞後、家族で「とんかつ」を食べに行きました(笑)。これもまた立派な「映画効果」でしょう。
鑑賞後も含めて、ああ、楽しかった。いろいろと災いが重なった「呪われた映画」なんて言う人もいますが、いやいや、そういう災いを軽く乗り越えた、すなわち「作品には罪はない!」を全面的に肯定するパワーを持った作品でしたよ。逆に「作品」が現実を乗り越えていく力をさえ感じました。GJ!
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