ステファン・グラッペリ Live1993
昨日紹介したライヴが1939年。今日紹介するのは1993年のライヴ。半世紀以上経っていますね。この時グラッペリは85歳です。
昨日は「体力と技術の衰え」なんて書いちゃいましたが、とりあえず技術は全く衰えていないどころか、ますます冴え渡っているようにも見えますね。失礼いたしました。
ヴァイオリニストの端くれとして、これは嬉しい事実ですね。ああ、こうやっておじいさんになっても全然弾けるんだ!
と言うか、1939年の時より、右手のボウイングの力が抜け、また左手のフィンガリングもより軽快になっており、楽器も無理なく幸せに鳴っているように感じますね。
グラッペリは若い時にはちゃんとクラシックの演奏を勉強していましたから、ある意味、ヴァイオリンを無理やり鳴らしていたところがあったのだと思います。
いつも書いているとおり、ヴァイオリンという楽器は、実は野蛮とも言える民族楽器の性質が強い楽器でして、クラシックで要求される、やたら大きな音や均質な音質、正確な音程には、あんまりふさわしくない楽器なんですよね。
いまや世界的なバロック・ヴァイオリニストになった友人もよく言ってました。理想のボウイングはステファン・グラッペリのそれだと。だけど絶対真似できないと。分かります。
あと、御人柄ですね。それが音に出ている。こんなふうに楽器でおしゃべりできたら楽しいでしょうねえ。
ジャンゴ・ラインハルトの影響も大きいでしょう。若くして亡くなっしまった彼の代わりに、音楽を長くやってくれたとも言えます。ステファン・グラッペリは89歳で亡くなりましたから、ジャンゴのちょうど倍生きたということですね。
85歳の時のドキュメンタリー番組もぜひご覧ください。そうそう、彼はピアノもめちゃくちゃ上手いんですよね〜。
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