金沢能楽美術館
石川県2日目。お昼はモーゼの墓があるという(?)宝達山を望みながら、UFOで有名な(?)羽咋へ。とうとう宇宙人がやってきましたよ(笑)。
そして金沢へ戻ってきまして、21世紀美術館へ。あまりに混雑していてびっくり。平日の夕方ですよ。特にプールの底に行くのに2時間待ち!?
というわけで、いちおう現代アートを楽しんだ(正直なんだかザワザワした)あとに、お隣の金沢能楽美術館へ。およそ1時間にわたって他に誰もおらず一人で独占してまいりました。
昨日の話の続きで言いますなら、加賀宝生も含む宝生流にのみ伝わる能「草薙」。まさにヤマトタケルのお話です。恵心僧都が熱田神宮でヤマトタケルとタチバナヒメの霊に出会うというストーリー。
そんなこともあって、金沢の人々にとってヤマトタケルは身近な存在であったとも言えましょう。そのあたりを指摘する人はいるのかな。
「草薙」に関する展示はほんの少し、思わず見逃してしまいそうなところにしかありませんでした。もう少し前面に押し出してもいいのでは。
まあそれはいいとして、いやあ、本当に1時間どっぷり能の世界に浸かりまして、実に気持ち良かった。現代アートよりずっとアバンギャルドですよね。
あの現代アートのザワザワ感の正反対、静かなる高揚感。次元が違うなあと感じました。
正直、21世紀美術館はとっても20世紀という感じがしました。つまり「人間」が主役になっているなと。それに比して能の世界はまずは「神」「霊」の世界。人間はあくまでミーディアムでしかない(たとえば「翁」)。
つまり、コトとモノの違いなわけです。もちろん、現代アートにも「モノ」性を感じるものがあります。しかし、全体としてはやはり「あえて仕組まれたコト」を感じてしまう。
それは「カタ(=コト)」にはまらないように見せているところが、どこか意識的(コト的)に感じられてしまうということです。一方、能は「カタ(=コト)」にはまりまくることによって「モノ」を表現している。このパラドックスは面白い。
21世紀美術館に展示されていた作品群、はたして600年後にも人の心を動かすことができるのでしょうか。
金沢においでの際には、ぜひ両方の両極端の美術館を訪れていただきたいと思いました。
それにしても、本当に金沢というのはいい街ですね。文化の香りがなんとも言えない。今回期せずして紅葉の季節に訪問することができ幸運でした。また来月来る予定です(仕事ですよ)。
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