Keith Jarrett 『Budapest Concert』
昨日に続きキース・ジャレット。
最新のリリースはこのブダペスト・コンサートです。2016年のヨーロッパ・ツアーより。
ジャレット家のルーツの一つはハンガリーだそうで、キースにとっては格別の思い入れのあるコンサートとなったようです。
バッハ家のルーツの一つも同様にハンガリーにあることを考えると、キースのバッハ傾倒の理由をそこに見ることもできそうですね。
多くのソロ・コンサートと同様、この感動的なコンサートも即興演奏によって構成されています。
そしてその即興演奏もいつものとおり、無調性的な音楽から、クラシック的な音楽、そしてメロディックな大衆音楽、ドローン・バスを伴う民族的な音楽、ブルースとなっています。
彼の即興演奏は、もちろん日々のプラクティスやイマジネーションが基になっており、そういう意味ではその瞬間に降りてきた、つまり無から有を生む性質のものではありませんが、それでも充分に感動的ですし、奇跡的ですし、インクレディブルなものです。人間の表現や技術の極致であると言えるでしょう。
私としては、バッハが即興演奏を得意としたことの影響があると考えいてます。有名なケルン・コンサートの即興演奏を日本人が楽譜化した時、キースは「(視覚的に)なんだバッハじゃん!」と言ったとのこと。面白いエピソードですね。
今日はあえて、そうした即興演奏ではなく(と言っても即興的な部分は多々あるでしょうが)、このコンサートのアンコールで演奏された美しすぎる「Answer Me」を聴いていただきましょう。
Amazon ブダペスト・コンサート
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