ジャンゴ・ラインハルト&ステファン・グラッペリ Live 1939
もっと◯◯があったら…。そんなことを思いますよね。
もっとお金があったらは定番ですし、例えば指が6本あったらピアノを弾くのも楽だろうとか、そんなことも考えてしまいますよね。
「不足」が「不満」や「不安」になってしまうと、もう人生は大変です。なぜなら「不足」はいつまでも「不足」だからです。何かが増えても、もっともっととなってしまうからですね。
今日は「不足」を「知足」にする智慧ということについていろいろ考えていました。
そんな時、ふと思い出したのが、ギタリスト、ジャンゴ・ラインハルトのことです。
ご存知のとおり、不世出の天才ジャズ・ギタリストであるジャンゴは、すでにギタリストとして活躍していた若い頃に、火事による大やけどで左手の薬指と小指がほとんど使えなくなってしまいました。
普通に考えると致命的な「不足」の状況ですよね。
しかし、彼は諦めないどころか、残された3本の指(親指も含む)だけを使う独自の奏法と、それに伴う独自のコード進行を編み出し、そして歴史に名を残しました。
まさに「不足」が「知足」になり、そしてそこから新たな世界の創造を実現したわけです。これは本当にすごい。常に「不足」に悩まされる私たちにとって、実に大きなヒントを与えてくれる智慧ですよね。
足りないからこそ生まれるモノ。
次の動画では、五体(本)満足な別のギタリストと同じパッセージをユニゾンで弾いていますので、その超絶的なテクニックと表現を鮮明に見て(聞いて)取ることができますね。
彼の盟友である天才ジャズ・ヴァイオリニストのステファン・グラッペリも、80歳を超えても進化し続けました。体力や技術の衰えという「不足」を逆手にとって、その音世界をどんどん滋味深く幸福なものにしていきました。
グラッペリおじいさんの演奏はまた明日紹介しましょう。
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