火(霊)の洗礼
コロナ禍の前、昨年のことを思い出してください。
4月にパリのノートルダム大聖堂が火災に見舞われました。8月にはアマゾンの熱帯雨林で大規模な火災。10月には沖縄の首里城が全焼しました。
まさに「火の洗礼」ではありませんか。
ここで、王仁三郎の言葉を引用してみます。大正14年の「神の国」に掲載された文章です。
火をもって、バプテスマを行うという事は、人間を霊的に救済するという事である。これ大乗の教えであって、今までの誤れる総てのものを焼きつくし、真の教えを布かれる事である。水をもってバプテスマを行うという事は、人間を体的に救済する事である。
火は霊であり、水は体(たい)である。
瑞霊(みづのみたま)の教えは永遠の生命のため欠くべからざるの教えであって、厳霊(いづのみたま)の教えは人生に欠くべからざるの教えである。
厳霊の教えは、道義的であり、体的であり、現在的である。
瑞霊の教えは道義を超越して、愛のために愛し、真のために真をなす絶対境である。いわゆる三宝(さんぽう)に帰依し奉(たてまつ)る心である。火の洗礼と、水の洗礼とは、それほどの差異があるのである。
某地の大火災を目して、火の洗礼だと人は言うけれど、それは違う。水の洗礼である。いかんとなれば、それは体的のものであるから。
「火の洗礼」と言った時の「火」は、私たちが考える「火」とは違うのですね。
よく言われるように、「霊」は大和言葉では「ひ」と読みました。あるいは「もの」と読みました。すなわち、目に見えない何かのことです。
fireの「火」は目に見えます。ですから、昨年の大火災を表面的に見ているだけでは「洗礼」の意味は分かりません。
そして、昨年の大火災のあと、まさに「目に見えないモノ」である新型コロナウイルスが世界を覆いました。
そう、これこそが「霊(ひ)の洗礼」であって、昨年の「火」はその序章に過ぎなかったということです。「火」をもって「霊」に気づくチャンスはあったはずですが、残念ながら私たち人類はそのチャンスを活かすことができませんでした。
「霊の洗礼」とは「今までの誤れる総てのものを焼きつくし、真の教えを布かれる事」。そう、コロナ禍によって、私たちはそれまでのあらゆる習慣や常識や経済や文化を失ってしまいました。
それらが「誤れる総てのモノ」だということではありません。それは「コト」です。目に見える(私たちが認知している)「コト」の背後にある、無意識の「霊(モノ)」の方が誤っていたのです。
そこに気づかないと、このコロナ禍、すなわち「霊の洗礼」は終わらないでしょう。そして、さらなる「焼きつくし」が行われる可能性があります。
今、私たちは、「体」ではなく「霊」の次元で生まれ変わる必要があるのです。
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