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2020.10.21

『すべての教育は「洗脳」である 21世紀の脱・学校論』 堀江貴文 (光文社新書)

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 リエモンの教育論…と言うと、何か特別な人が特別なことを言っているような印象を持つと思いますが、非常にまっとうな「脱・学校論」です。

 「学校」という工場、軍隊、牢獄で働く者として、ほぼ全面的に堀江さんの意見に同意します。

 現在の「学校」、すなわち150年前から変わらない「学校」が、実社会と乖離しているのは当然の上、堀江さんが言うとおりまさに「ブレーキ」になってしまっている。幼児教育から大学までの約20年間によって、どれだけ日本の生産性が下がり、国力が低下していることか。

 全ての「先生」にこの本を読んでもらって、もし同意できない部分があるなら、感情論ではなく理屈で反論していただきたいと思います(もちろん、ちゃんとそれをしてくれる先生もいますが)。

 先日も宇宙人的な視点から、某ラジオ番組で(旧来の)学校批判を繰り広げた私であります。しかし、現実にはまさに「旧来の学校」の中心で働いております。

 それを矛盾だとか、職場に迷惑をかけているとか、いろいろな批判やご指摘をいただいておりますが、私としては全く自然にそれができていますので、ご心配なく。

 だいたい地球人のいけないところは、改善のための批判や具体的な改革を「敵対関係」の中で実現しようとするところです。外側からの批判は結局単なる無責任な自己満足か単なる暴力になってしまうんですがね。

 私がもし堀江さんの主張に何かを加えるとするなら、「旧来の学校」も残るし残すべきだということでしょうか。つまり、レールの上に乗っていくことを望む人、貯金の安心を得たい人もある割合いるのです。

 その上で、これからの時代のメインになるであろうもう一つの選択肢としての全く違う教育システムを作る。それが私の現在の、いや未来の仕事です。もう具体的なビジョンと方法論はできています。

 それは、堀江さんの言う「『バカ』になれば教養もついてくる」体験(すなわち「学び」)を、社会全体を「学校」として実現する画期的なものです。

 これは、まさに「旧来の学校」にどっぷり浸かって仕事をし、その問題点と、その問題点を正当化どころか美化していしまう「物語」を、いやというほど体験してきた私だからできることだと思っています。

 今の仕事、立場には当然誇りも持っていますし、自分の学校や幼稚園を心から愛しています。しかし、そういう小さな自我の次元を超えて、本気で日本を、地球を救おうと思っている自分(自分ではないのかも)がいることも確かです。

 私は私の妄想を絶対に実現します。実現しなければならないのです。天命ですので。その時には、もしかすると堀江さんの力もお借りするかもしれません。

 もう一つ、あえて最後に言うなら、この堀江さんの「正論」にも「洗脳」の要素は多分にあります。というか、全ての社会的システムや言説は「洗脳」が目的です。もちろん、私のひとり語りも。まずは自分をこうして洗脳していますし(笑)。

Amazon すべての教育は「洗脳」である

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