『再雇用されたら一カ月で地獄へ堕とされました』 愛川晶 (双葉文庫)
今日は部活動に関して二つの報道機関の取材を受けました。
私が研究している「学校に残る軍隊文化」の中でも、最も分かりやすいのが「部活動」です。
もちろんその良いところ、効用なども理解した上で、行き過ぎた「集団主義」「上意下達」「暴力性」「理不尽」「根性主義」とは徹底的に戦うつもりです。
部活動の理不尽と言えば、先日アゴラに愛川晶さんが興味深い記事を書いていました。
そうそう、これも普通にあるあるです。そういう異常に誰も気づかなくなっているところがメタ異常ですよね。ウチの学校でもそうです。
そんな「学校の異常」を訴え続ける、元高校教師であると同時に優れたミステリー作家である愛川さん。彼の作品の中で、私が特に好きなのが、自身の体験をベースにしたと思われるこの作品。
作中で「ラノベみたいに、やたら長いタイトルをつけて」と語っているとおりのタイトルです(笑)。
これって教師の皆さんにはぜひ読んでもらいたい問題作ですよ。特に公立の先生方。
今日も記者の方と話しましたが、普通の社会でも起きてはいけない事、普通の社会でも許されない人間が、教育の世界になんと多いことか!
密室性、閉鎖性の中での特殊な利害関係に基づく異常な人間関係…それが、いじめ、体罰、暴言、ひいき、スクールカーストなど学校内の全ての問題を生みます。そして、その問題をさらに密閉する隠蔽体質。
本当にヘドが出ます。
この本の内容もそこに行き着くのではないでしょうか。もちろん、最後は教師という仕事の、反面の素晴らしさに救われるわけですが。
それにしても、びっくりしたのは、初めての授業で生徒の名前を古代の発音で呼ぶというワタクシの得意技を、全く同じ要領で、全く同じ意図で、全く同じ気遣いの下やっている先生がいたとは(笑)。そして、それが鍵になったりして。
その他、園長というキーワードやら、黒猫のチートやら、リュートやら…なんだか、私の人生、日常生活のキーワードを散りばめられていて、ちょっと怖いくらいでした。いよいよ定年退職、再雇用なんて言葉も気になり始めた今日このごろですし。
まあそれを抜きにしても、最後まで一気に読ませる構成力、文章力はさすがだと思いました。先生以外の方もぜひどうぞ。KindleUnlimitedだと無料で読めますよ。
Amazon 再雇用されたら一カ月で地獄へ堕とされました
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