富士学苑中学・高等学校ジャズバンド部 第18回リサイタル
今年はコロナのこともあって、オープンエアの河口湖ステラシアターにて開催。
ゲストはなんとトランペット・アーティスト、エリック・ミヤシロさん。本当に素晴らしい、音楽の悦びに満ちたコンサートとなりました。
今年は運動部はもちろん、文化部もコロナの影響で活動が制限され、本当に辛い日々を送ってきた生徒たち。こうして実りの秋に、まさに結果、結実の舞台を体験できることになり、本当に良かったと思います。今日は野球部も秋の県大会準決勝で強豪校相手に大健闘しました。一時は最悪のこと、つまり全ての舞台が中止になることも考えましたからね。
そんな当たり前が当たり前でないことを知ったあとの、こうしたスペシャルなステージは、観る人聴く人たちにとっても格別な価値あるものとなりました。
今日はジャズバンド部OGであるウチの娘も久々のライヴ・ステージを体験し、ここのところネットの世界で表現活動をしていたからこそでしょうか、「やっぱりお客さんと生で対面するのが一番!」と満面の笑みで帰宅しました。
生徒たちの演奏もいつもながらに素晴らしいものでした。今年は魅力的な音色のソリストたちが育ち、全体のアンサンブルも限られた時間だったからこその集中力で、とてもよくまとまって聞こえました。
プロになったり、大学や社会人のバンドで活躍しているOB、OGたちも、音楽ができる悦びに満ちた堂々たるパフォーマンスを見せてくれました。
そして、なんと言ってもスペシャル・ゲストのエリックさんの素晴らしすぎる演奏、もう言葉になりません。いろいろな思いが込み上がってきて、久々に生音で涙を流してしまいました。世界トップの音には、やはり心を直接震わせる波動がありますね。
それは音波というレベルを超えています。私は常々、音楽は高次元につながる人類古来のツールと言っていますが、それをまた確認しました。
音色とか表現とかは、ある意味数値化できると思いますが、そんな表層(三次元、四次元)の波の話ではなく、あえて言うならお人柄、思い、意識でしょうかね、まさに「得も言われぬ」…それが語源ではありませんが、今流に言うと「エモい」…波が会場中を覆うのが感じられました。
それを高校生の時に、同じステージで感じられる生徒たちは本当に幸せですね。これを超える教育がありましょうか。顧問の大森先生に心から感謝しなければなりません。
感動や教育にはいろいろなレイヤーがあります。ここのところ、遠隔授業の良さも感じてきた私ですが、やはり生、つまり時空の共有、それもネットやデバイスを通じてでは伝わらない、高次元の波動の共有が一番ですね。つまり、世界レベルの人と直に接するということです。それを提供できることが、これからの教育機関に求められるのかもしれません。
本当にコロナのおかげで、いろいろなことに気づかせていただいています。教育現場だけでなく、いかにこれからの時代「生」の体験を確保してゆくのか、私たち人類に課せられた大きなテーマなのでしょう。
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