トランシルヴァニアの古楽
BTSがアジアからアメリカに進出した話の続きで、アジアがヨーロッパに進出した昔の話を一つ。
このあたりの世界史にはあんまり詳しくないというか、勉強したけれど忘れてしまっています、実は。
しかし、世界の大きなデザインとして、ヨーロッパという辺境の地がモンゴルとトルコというアジアの強国にいじめられたというのが、私の雑なイメージであります。
そういう意味では、トランシルヴァニア地方は非常に複雑な文化を持っています。現在のルーマニアの西部、ハンガリーの東部あたりですかね。
このアルバムで取り上げられている17世紀はトランシルヴァニア公国時代。ハプスブルク家やオスマン帝国に攻められ、実効支配されていた時代ですね。
そんなわけで、音楽も非常に複雑。ヨーロッパからバロック音楽も入ってきていましたが、いわば地元ジプシー系の民族音楽もありましたし、トルコが持ち込んだアジアの音楽もあったようです。
それらが併存したり、融合したりというのが、このアルバムを聴くとわかります。そして、それが絶妙に魅力的なんですね。ある意味ワールドワイドな音楽の坩堝だったのではと想像されます。
そう考えると、当時鎖国下の日本は、本当に音楽が純粋に発達しましたね。そういう文明国も珍しいと思いますよ。その後開国し、昭和日本がワールドワイドな音楽の坩堝となったわけです。
そして、今はどうなのか…トランシルヴァニアの音楽を聴きながら、そんなことを考えていました。
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