『MIFUNE:THE LAST SAMURAI』 (スティーヴン・オカザキ監督作品)
昨日のタイガーマスクは家内と、そしてこちらの映画は次女と観ました。
こうして家族と、かなり深いところで趣味を共有できるのは幸せなことですね。
実際、次女から学んだこともありました。次女は能楽を志しているのですが、三船の、というか黒澤映画の動きや間の中に、「能」を感じていたようで、この作品の中で黒澤が能に理解があったというナレーションがあって、「ほらね」と大いに共感していました。
言われてみれば、ですね。黒澤作品は何度も観ていた私ですが、そういう視点はなかったなあ。
さて、このドキュメンタリー映画、以前私も紹介し絶賛した「ヒロシマ・ナガサキ」のスティーヴン・オカザキさんの監督作品です。
日系3世のオカザキさん、原爆の時もそうでしたが、日本に対して「ちょうど良い距離感」でいるのがいいですね。
もちろん、だからこそ、日本人である私たちは三船の別の側面も描いてほしかったような気もしますが、いいのではないですか、外国から見た三船の魅力をピックアップするのも。
「能」といえば、三船が「ものまね」系の役者だったことも興味深いですね。つまり、「モノ」を「マネく」人であったということ。黒澤が演技指導などするまでもなく、する隙もないほどに、彼は「本人」を降ろすことができるミーディアムだったのでしょう。それはもう演技ではありません。
型にはまり、型を身に着け、自分のモノにした時に初めて降りてくる「何モノ」か。それはコト(たとえば言語)を超えて、世界で共有されるべきものですね。
さてさて、今日も娘に話したのですか、三船と黒澤を結んでいるのが「秋田」なんですよね。案外語られないことですし、秋田の方々もほとんどご存知ない。
昨年、こんな記事を書いていますので、興味のある方はお読みください。
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