武田邦彦 「天皇」について語る
今日は午前、午後、夜、連続して3つの会合(リアル or オンライン)がありました。それぞれ本当にいろいろな気づきを与えていただく素晴らしい機会でした。
午後の勉強会では「天皇制」の話も出ました。
出口王仁三郎は天皇制を肯定したのか、否定したのか。そんな疑問が発端でした。
この答えは非常に難しい。あえて言うならば、「天皇」という文化は肯定したが、「天皇制」というシステムは否定した、となるでしょうか。
つまり「現人神」は否定したというわけです。
武田先生のこのお話には、なるほどと頷ける部分もありますが、正直首をかしげるところもあります。難しいですね。
毎年、夏になると、先の大戦のことを思います。そこではどうしても「天皇陛下万歳」というキーワードを避けて通れません。
戦後、ほとんどの場合、それを否定する形で語られてきました。もちろんその気持ちも分からないではないのですが、そうすると、そう叫んで散っていった無数の兵士たちのことも否定するようで、正直心が痛みます。
もちろん、その反対の感慨もあります。つまり、「天皇陛下万歳」に反対だったが命を落とした人たちもたくさんいるからです。
いつかも書きましたとおり、たとえば靖國神社に関連しても、右、左、両方ともに極端な見方しかできていない気がします。私は靖國の神域に足を踏み入れると、本当に多様な「気持ち」を感じることができます。そして「迷い」を感じるのです。
ですから、少なくとも、どちらにせよあなたたちの判断と行動は、未来的な意味において間違っていなかったと、そこは全肯定するところから始めないといけないと思うのです。
ちょっと伝わりにくいかもしれませんね。昨日の夜もオンラインでの会合があり、そこでも全部お話しましたが、ウチの夫婦が、時を超えて二・二六事件の核心に(信じられいないほど、恐ろしいほど)関わることになってしまった、その体験から分かったことなのです。
彼らが、いまだに自分たちが何者か分からず、敵か味方かも分からず、すぐ隣の世界で真っ黒な「塊」になっているということを知ってしまった今、それを丁寧にほどいて差し上げることを後回しにして、自分たちの次元で歴史解釈と思想を戦わせても仕方ないのです。
私は、それをする、その中心に「天皇」の祈りがあると信じています。あの時代の「天皇制」「現人神」には、それができなかった。そこに強烈な違和感を抱き、問題提起したのが、出口王仁三郎であり、またある意味では二・二六事件の青年将校たちだったのです。
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