J.F.C フィッシャー 『エウテルペ組曲』
今日はバロック音楽の隠れた名曲を紹介します。
ドイツバロック音楽でフィッシャーというと、二人の作曲家がいます。ヨハン・フィッシャーとヨハン・カスパール・フェルディナント・フィッシャーです(ややこしい)。
二人はほぼ同時期に活躍し、ともにフランスのリュリの影響を強く受けた音楽を残しています。
今日紹介するのは名前が長い方のフィッシャーです。彼の曲で比較的有名なのが「シャコンヌ ヘ長調」。現代ピアノでも演奏される小品です。
その「シャコンヌ」は本来は組曲の最終曲。その組曲がこの「エウテルペ組曲」です。
エウテルペとはギリシャの女神の名前。実は、フィッシャーはギリシャの神々をモチーフにした組曲集を書いているのです。
エウテルペは「喜びをもたらす」神で、アウロスを吹いている絵が残っていることからもわかるとおり、音楽にもゆかりのある女神のようです。
この組曲「エウテルペ」も、まさに「喜びをもたらす」ような明るさ、軽快さを持つ佳曲ですね。特に最後の「シャコンヌ」はまさにリュリ風の豊かな和声展開をする魅力的な音楽です。
大バッハも両フィッシャーの音楽を愛していたようです。そう、バッハってテレマンやヘンデル、そして諸先輩方の音楽を高く評価していますが、それって「こんなシンプルな曲、オレ書けないなあ…」っていう気持ちだったのでは(笑)。
バッハもいいのですが、ちょっと続けて聴くと疲れるので、時々こういう「軽音楽」を挟みたくなりますね。
神々の組曲の楽譜はこちら。ただし、普通のト音記号ではありませんのでご注意を(第1線がドのハ音記号です)。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- ラモー 『優雅なインドの国々より未開人の踊り』(2024.08.12)
- ロベルタ・マメーリ『ラウンドМ〜モンテヴェルディ・ミーツ・ジャズ』(2024.07.23)
- まなびの杜(富士河口湖町)(2024.07.21)
- リンダ・キャリエール 『リンダ・キャリエール』(2024.07.20)
- グラウプナーのシャコンヌニ長調(2024.07.19)
コメント