『もらとりあむタマ子』山下敦弘監督作品
山梨県は甲府が舞台の映画。
その甲府で、元AKBの前田敦子さんが実にいい「ぐーたら」ぶりを発揮しています。
元アイドルが女優に転じていくためには、たしかにこういうイメチェンのきっかけが必要でしょうね。
というか、私は彼女が14歳の時から見ていますが、正直トップアイドルになるとは思えませんでした。
しっかりしている子だなとは思いましたが、正直トップアイドルに必要な要素はあまり見つけられなかった。
まあ1期生は全体にそんな感じであり、そこからのシンデレラストーリーが庶民の共感を生んだのかもしれませんがね。AV女優になっちゃった子もいたし(笑)。
そういう意味では、シンデレラがいきなり髪ボサボサのニートに落ちぶれるという落差もまた、私たち庶民にとってはある種のカタルシスなのかもしれませんね。浮き沈みの疑似体験。
もともとこの映画を観たのは、いつものとおり富田靖子さんを鑑賞するためだったのですが、これもいつものとおり、結果、未知の名作映画に出会うことになりました。富田さんには感謝です。地味だけれどもいい映画にたくさん出ているんですよね。
この映画の舞台になっている「甲府スポーツ」さんは実在するお店です。私も場所は分かります。店名そのままで登場するっていうのは珍しいですよね。一時的にであれ、あっちゃんが生活したというのはすごいですね。
映画撮影時や公開時にはきっとすごい評判だったと思いますが、もう今では元の静けさを取り戻していることでしょう。これもまたある種のシンデレラストーリーか。
その他のロケ地も全て甲府周辺。なんの変哲もない地方都市の日常的な風景が、なんとも懐かしく感じられます。必要以上に絵にならない街なんですよ、甲府って。それが良い。風情がないとも言えますけど。
ターニングポイントになる駅は「春日居町駅」ですね。これまた普通すぎてどうしようもない。そしてそれが良い。だいたい映画の中の駅って、主張が強いんですが、ここは違う(笑)。
短い作品ですので、軽い気持ちでグータラしながら観てみてください。唐突に終わったあとの星野源さんの主題歌、そして最後のカット、そこまでちゃんと観てください。なんか癒やされますよ。
ただ、だれかも指摘していますが、食事の時の「ものを食う音」が大きすぎて、ちょっと不快でした。演出の意図は分かりますけれども、それにしても大きすぎでは。
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