『人生で大切なことはオカルトとプロレスが教えてくれた』 大槻ケンヂ・山口敏太郎 (角川学芸出版)
昨日からの流れでこの本をおススメしますね。
いやあ、この本、めっちゃ面白いですよ。そして納得。さらに救われた。
昭和41年生まれ、オカルトとプロレス大好きなお二人の対談。同世代、同趣味、共通体験者として大いに楽しませていただきました。
昨日の「ノストラダムス」についても当然触れられています。
ノストラダムスは「メメントモリ」(死を思え)という考え方を俺らに叩き込んでこれましたよね。
という大槻さんの言葉に完全に同意いたします。小学生の私にとっても、ノストラダムス体験は、ある種の宗教的な通過儀礼でした。
あと、昨日紹介した映画「ノストラダムスの大予言」についても大槻さんが語っています。それを読んで分かったのですが、昨日紹介した動画って、ノーカット・バージョンなんですね!やばい、そうだったのか(笑)。
この本全体を通して語られる「人生で大切なこと」とは、すなわち「変なモノ、理解できないモノ、怪しいモノ、嘘というモノを切り捨てず愛する」ということですよね。
たしかに90年代、平成になってからは、そういう「モノ」を許さない「コト」社会になってしまい、実に面白くなくなってしまった。その後の揺り戻しで多少は良くなったとは言えども、やはり変な現実(コト)主義がはびこっているような気がしますね。
当時の少年たちは、みんな「オカルト」と「プロレス」の洗礼を受けて大人になり、今の社会を支えています。しかし、結果として「コト」社会になってしまい、「モノ(ノケ)」が排除されるようになってしまったのはどうしてなのでしょう。
やはり、みんな「大人」になってしまったのでしょうか。その点、私はいまだに中二病どころか(幼稚園の)年中病です(笑)。だから、自分の中では宇宙から来た地球を救うヒーローのつもりで、毎日現実と戦っているのです。
と言いつつ、仕事柄もありますし、いちおうこの世でフツーに生きていかねばならないので、それなりに客観的に自分を観ているところもある。それこそが、たしかにオカルトとプロレスから学んだ生き方なのかもしれませんが。
この本には、当然、出口王仁三郎も出てきます。山口さんが王仁三郎と宮崎滔天の関係について面白い情報を書いてくれていますが、こちらに書いたように、宮崎滔天の長男宮崎龍介と王仁三郎は深い関係があります。宮崎滔天から王仁三郎に依頼があったのかもしれませんね。
この本、面白く笑える記述がたくさんあったのですが、一番笑ったのは、ザ・ドリフターズの「いい湯だな」は「いいユダヤ」だという話(笑)。ドリフターズという名前自体が「失われた10支族」を象徴していると。
さらにその話の続きで、「最近のウイルスも…歯磨けよ、手洗えよ…カトちゃんがリスクヘッジしてた」、「人工ウイルスが一番熱い」というくだりは、最近の状況からしてちょっと笑えない良くできた「陰謀論」ですね〜。
プロレスとオカルトを通じて、相手や相手の考えを叩きつぶさないことをみんなが学んだ…(大槻)
なるほど、そこに「和(にぎ)」や「言向け和(やわ)す」の精神が息づいているのですね。いい時代に生まれ育って良かった。
Amazon 人生で大切なことはオカルトとプロレスが教えてくれた
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