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2020.06.24

『言霊信仰』 豊田国夫 (八幡書店)

Th_71guudzrgkl_ac_uy218_ 昨日、昨日と「ことたま」について思いつきを書きました。

 アマゾンで検索しても分かるのですが、まあ今も昔も「言霊ブーム」ですね。

 特にスピリチュアル系の本がわんさか出てきます。本当に雰囲気なんです。それこそ軽すぎる「言霊」が跋扈しています。

 ちゃんとした「言霊」研究というのが案外ないのですが、唯一学術的な検証に耐えられるのが、豊田国夫さんのこの本です。

 初期の八幡書店さんから出ているというのは面白い。王仁三郎本の出版社ですからね。

 私はこの豊田さんの本を35年前に購入して、今まで本当にバイブルのように大切にしてきました。

 目次がここにありましたので、ぜひ御覧ください。すごいですよね。

 私の「モノ・コト論」の源流はこの本と、東辻保和さんの『もの語彙こと語彙の国語史的研究』という素晴らしい2冊の学術書です。これらは、絶対に雰囲気に流されない、スピリチュアル世界に取り込まれないためのアンカーなのです。

 それはひとえに「もの」と「こと」という日本語の重みを感じるからです。そこに日本人の、日本の、世界の、宇宙の、生命の本質がある予感がするからです。

 と言いつつ、なかなか自分の研究は進みません。特にアカデミックな世界に認められるような研究にはならない。思いっきり自己矛盾してますね。

 古くは「言」と「事」は一つであった。その言事融即の状態から、次第に「言」と「事」が分離し現在に至っているというのが、豊田さんの考え方です。結果として、結局のところスピ系でも語られてしまう「言葉の力で事象を動かす」、すなわち「成る」ではなく「為す」というある種攻撃的とも言える解釈を生んでしまった。それがかの大戦の不幸を生んだとも言えるわけですね。

 私は、「言」と「事」の「こと」への融和、統合を図るとともに、「もの」と「こと」をも高次元で融和、統合させようと考えています。「もの」と「こと」が対比されていると、そこには「とき」が生じます。つまり、「とき」を超えることを目標としているわけです。

 まあ、壮大な夢物語であり、それこそあの世に行かないと分からないのかもしれない。いや、「分かる」なんていう分離こそがダメで、そんなものを簡単に超越したところに「まこと」であったと悟るのかもしれませんね。死んで「もの」に帰ったら。

 というわけで、死ぬまでに「モノ・コト・トキ」という本を書かねば。死んだら書く意味がないので。まあ、死ぬまでにはまだまだ時間はあるので、焦らずゆっくりやっていきます。

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