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2020.06.16

『19世紀の「ノクターン」作品集』 バート・ファン・オールト(ピアノ)

 

 近寝る時にかすかに流しているのがこのアルバム。

 ジョン・フィールド、ショパンらの「夜想曲」の集大成。本当に美しい。

 もちろん、私好みな歴史的なピアノによる演奏です。フィールドはブロードウッド、ショパンはプレイエルとエラール、ほかはエラール。

 ショパンが素晴らしいのは言うまでもないのですが、私はフィールドのシンプルさが大好きです。

 フィールドを聴いてからショパンを聴くと、ちょっと過多なロマンチシズムがベトついて感じられる。

 夜安らかに寝たい時はフィールドですね。にっこりしながら眠りにつけます。ショパンはちょっと自意識過剰というか、悶々としている感じがします。

 それがよくわかるのが、有名な「ショパンのノクターン(作品9の2)」と、その冒頭の元ネタと思われる、2曲の「フィールドのノクターン」との比較です。

 

フィールドのノクターン(第6番)

 

フィールドのノクターン(第12番)

 

ショパンのノクターン(作品9の2)

 

 ショパンって「中二病」だったのでしょうね(笑)。

 演奏者のオールトもそこのところ良くわかっていて、演奏スタイルもずいぶんと変えていますね。ショパンにおける過剰とも言える即興的変奏はその表れでしょう。けっこう好きです。

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