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2020.06.28

ELO 『雨の日のコンチェルト』

 

 雨空にぴったりの音楽。

 私の人生にとって最初にして最高の「音霊」はこれでした。中学1年生の時、この音楽が私の未来を決定しました。

 生まれて初めて自分のお小遣いで買ったELOの「アウト・オブ・ザ・ブルー」。アルバムとしては、もう何回も紹介しています。今日はあえて、その「アウト・オブ・ザ・ブルー」の3面、「雨の日のコンチェルト」を紹介します。

 アルバム全体としてもすごすぎるわけですが、特にこの3面のメドレーというか組曲というか、いやコンチェルトか、これは音楽的にあまりにも豊かです。

 これを聴いて、それまで歌謡曲とビートルズばかり聴いていた私は、すっかりELOフリークになってしまいました。そして、ヴァイオリンを始めたとも言えるし、クラシック、特にバロックにも興味が湧いた。そして今に至る。

 何事においても「初めて」というのは特別な意味を持つものでありますが、こればっかりは、もう何万回聴いても発見だらけでして、その理由は説明できるコトではありません。総体としてのモノ、分析的なコト、どちらにおいても私にエネルギーを与えてくれる存在なのでした。

 「雨にうたれて」のコード、メロディー、リズム、オーケストレーション、…この曲のジャンルはなんなんでしょう。全音楽の中で最も好きな曲の一つ。

 「ビッグ・ウィールズ」はベヴ・ベヴァンも絶賛していた深みのあるバラード。ショパンのごときメロディーの変奏が美しいし、やはりルイス・クラークのオーケストレーションが見事。

 「サマー・アンド・ライトニング」は、前2曲とは対照的にシンプルなコード進行。それが効果的。さわやか。

 「ミスター・ブルー・スカイ」、最近イギリスで「これまでで最も幸せな曲」に選ばれました。単独でもハッピーな曲ですが、やはり、この「コンチェルト」の終曲として聴いてほしい。

 たった4曲ですが、なんでしょう、このボリューム感。ロックの領域を超えた豊かさ、深みを感じます。ジェフ・リンはその後「5人目のビートルズ」と称され、実際にビートルズのメンバーと作品を作るようになるわけですが、もうこの時すでに後期ビートルズに肩を並べ、それを踏襲しつつ新たな次元に到達していたのでした。

 自分の葬式では、この「コンチェルト」を流してもらおうかな。最後はみんなハッピーでお別れしましょう。

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