『HOUSE ハウス』 大林宣彦監督作品
今日は、珍しくテレビ(トゥエルビ)で「さびしんぼう」が放映されました。
「き○たま」を連発するから地上波では流しにくいのか。この名作がなかなか一般の人たちに鑑賞してもらえないのは、なんとも歯がゆかったのですね。プライムでも無料で観られないし。
そういう意味では、この大林監督の劇場映画デビュー作品も、そうそう地上波では放送できませんね。それほどの衝撃作です。
そして、一度観るとハマってしまう不思議な魅力のある作品。「夢」のリアルを表現しようとした大林宣彦監督の真髄が、早くも全て収まっている作品です。
もう説明のしようがないのですが(笑)、とにかく「ぶっ飛び」ぶりが尋常ではありません。実験的すぎるとも言えますが、堂々と書割を使ってしまうあたり、やはり「脳内リアリズム」の表現であって、監督にとってはごく自然なことだったのかもしれません。
どちらかというと、寺山修司の世界に近いのだと、今頃になって気づきました。それは、最近の作品「花筐 HANAGATAMI」を観ての再発見。そう、この「HOUSE」と「花筐」は直接つながっているような気がしますね。表現もテーマも。
池上季実子さんの体当たりの演技もすごいけれど、鰐淵晴子さんの時代を超えた妖艶さや、大場久美子さんの可愛さにも注目ですよね。
とにかくホラーなのに、ポップでリズミカル、どこまでも明るい。こんな不思議な映画、世界中探してもそうそうないですよ。海外で人気というのもわかります。
遺作も早く観たいですね。本当に稀有な才能と哲学を持った監督さんでした。あらためて感謝したいと思います。人生を豊かにしてくれてありがとうございました。
映画にも出演しているゴダイゴの音楽に乗せて、その雰囲気を味わってみてください。いやあ、すごいわ。
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