ムファット 『パッサカリア ト長調』
とても忙しいので、今日は簡単に。
コロナのためしばらく休止していたクラブ活動が段階的に再開されています。私が担当しているクラブは二つ。
一つは今年度から新しく作った「YouTu部」。その名のとおり、動画の作成から発信を通じて、いろいろなことを学びつつ、学校と地域に貢献するというものです。これはまだ新入部員の募集も始まっていません。これからです。
もう一つは10年続けてきた弦楽合奏部。得意なヴァイオリン族の楽器を教えながら、アンサンブルを楽しむ部活です。
その弦楽部、最近不人気で(苦笑)、部員が片手に収まるほどに縮小してしまいました。まあ、おかげでカルテットなど小編成を楽しめるようになり、また私もチェロを弾く機会が増えて、それはそれで楽しいのですが。
さて、再開した弦楽部で新たに挑戦する曲の一つがこれ。マニアックですね〜。ほとんど自分の趣味です(笑)。
ムファットのパッサカリア。
ムファットは、実はバロック期における実に重要な人物です。今のフランス生まれですが、本人はドイツ人という意識を持っており、イタリア・バロックの巨匠コレッリや、フランス・バロックの巨匠リュリとも付き合いのあった、非常に国際的な作曲家です。
たしかに彼の作風は、フランス的でもあり、イタリア的でもあり、ドイツ的でもあって、ある意味ヘンデルに通じるようなセンスを感じさせます。
管弦楽曲や鍵盤楽曲に非常に魅力的な作品を見出すことができます。最近はその再評価も進み、多くの録音に接することができるようになりました。
このパッサカリアは弦楽のためのソナタ集の第5番の最終曲です。この曲集は、ヴァイオリン2本、アルト・ヴィオラ、テナー・ヴィオラ(ヴィオレッタ)と通奏低音という、いかにも中期バロックらしい中音域の充実した編成となっています。
全体として、コレッリの合奏協奏曲風というより、ヴァイオリン2本と通奏低音のトリオ・ソナタに、おまけに中音域を加えたような感じで作曲されており、そういう意味では、のちのトリオ・ソナタへの過渡期的な作品とも言えそうです。
実際、このパッサカリアでも、繰り返しの最初はヴィオラ族は休みで、2回目に響きを豊かにするために参加するというような部分が多く見られます。そのあたりの響きの違い、時代の趣味の移り変わりもお楽しみください。
楽譜はこちら。
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