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2020.06.01

ヴィヴァルディのヴィオラ・ダモーレ協奏曲(ダンスとコラボ)

 

 んちゃってですが、私もいちおう世界でも珍しい「ヴィオラ・ダモーレ奏者」の一人です。演奏歴、なんだかんだ30年になります。こんな演奏会もやりましたっけ。

 なにかと変わったマイナーな分野で…すなわち競争率の低いところで…目立とうとするずるい性格なんですね(笑)。いや、自分を客観的に見ると、あらゆる分野でそうなんですよ。困ったものです。

 いや、人々が忘れてしまったり、偏見から捨ててしまったものに光を当てるという意味では、それなりの社会貢献をしているかもしれない…かな?

 さて、ヴィオラ・ダモーレを弾いてみますとですね、やはり、そのオリエント的な魅力というのを感じるんですよね。その後の合理主義に絡め取られていく西洋の楽器たちの中で、明らかに異彩を放っています。調弦だけでも大変ですからね。

 多弦かつ共鳴弦を持つために生じる独特なレゾナンス…それはつまり不協和で混沌とした豊かな響きなわけですが、それこそがその後の和声音楽の発達に反しているところがある。

 また、多弦でありながらフレットレスなところ。これもまた、ある種の土俗性の匂いを遺している。ヴィブラート、音程のずらしなど、まあ、演歌みたいな演奏ができるんですね(笑)。

 ですから、バロック時代はもとより、その後の時代、現代に至るまで、時々音楽史に登場するのは、単なるノスタルジーというだけでなく、そういう反近代的なものへの過激な憧れのようなものがあったからではないかと思うのです。

 さてさて、そんなヴィオラ・ダモーレを主役に据えた作曲家としては、やはりヴィヴァルディを挙げねばならないでしょう。彼のヴィオラ・ダモーレ協奏曲は、前バロック的な楽器の特性をもって、逆に超バロック的な表現をしている魅力的な作品たちです。

 どうでしょうね。世界史的に言っても、モンゴルやトルコへの脅威や東洋(たとえばジパング)への憧れのようなものが、まだ残っていたのかもしれませんね。

 そんなヴィオラ・ダモーレの魅力を見事に表現しているのが、このビデオです。面白いですね。演奏(特にカデンツァ)はもちろん、コンテンポラリー・ダンスを採用した映像の不思議な世界観がなんともいい。なるほどなあ、と思った次第です。

 

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