寺内克久 『青緑の澄性』〜音楽の「ことたま」
素晴らしい作品を作っていただきながら、すっかり紹介と御礼が遅くなってしまいました。
ようやく紹介するタイミングがやってきました。ここのところの「ことたま」シリーズ、昨日「最終兵器」が登場してしまいましたが、さらに一歩進んだ「番外編」。ここでの「番外」とは、さらに高次元であるということ。
我が家でお預かりしている出口王仁三郎の耀わん「十和田」のイメージを、寺内克久さんに「音楽」にしていただきました。
寺内克久さんは独自の音楽理論「不定調性論」を構築され、音楽教育に、楽曲制作に活躍されている音楽家です。このたび、不思議なご縁で知り合った友人が間に入ってくれまして、このような素晴らしい創造のきっかけを提供することになりました。
耀わんという、宇宙の「ことたま」を凝縮した、だからこそ、分からない向きには全く分からないモノから、いかにコトを展開して見せる(聴かせる)か。そのとんでもない難題を、おそらく世界で初めて実現してくださった寺内さんに、改めて敬意と感謝を捧げたいと思います。
なにしろ、何の説明もなく、いきなり写真だけ送られたわけですからね(笑)。それは大変ですが、しかし逆に言えば、なんらの先入観(他者が展開したコト)もないからこそ、いきなりモノからコトを紡ぎ出すことができたのかもしれません。
その証明として、寺内さんの制作メモを読んでいただきたい。なるほどと納得するコトばかりです。
そして、それを「モノのね」たる音楽で表現できるのだから、本当にすごいと思います。音楽は「一瞬で全体」である「モノ」を、歌や楽器などの「コト(琴)」を通じて、一度時間軸上に展開して、そして、私たちの脳内で再び「一瞬で全体」である「モノ」に帰すという、古代から人類が獲得していた「高次元へのアクセスツール」です。
時間軸上で展開されるコトとしては、もちろん言語もありますが、日本古来の「歌」の伝統のように、あるは王仁三郎がリズムと節を重要視したように、音楽は言語よりもより抽象的で普遍的な「意味」の統合(総合)を可能とします。
結果として、私たちの意識(コト)に働きかけ、未来志向のエネルギーを喚起します。それがまさに「音楽のことたま」ということになります。
高城剛さんとも、これから人類が高次元にアクセスしていくために「音楽」が最重要だという話をしました。もっと、地球人に音楽をふるまわなければと。
寺内さんの「不定調性論」は、「不定」であるところが実に「モノ」的でありつつ、それが西洋近代の音階という「コト」の上に展開されているところが実に面白い。私のこだわる「コトを窮めてモノに至る」という感覚に近い。
先日、天才物理学者の方ともそんな話になりました。「モノ」(自然)を一度分析(コト化)して、再び統合、総合して「モノ」に帰すと、その「モノ」は前の「モノ」とは違う、高次元の自然になるのです。
「耀わん」という行為もまさにそれ。つまり、寺内さんは、王仁三郎が再生した高次元宇宙(自然)を、さらにもう一次元上の自然に昇華したということです。
そして、それはどんどんいわゆる言語からは遠く離れていくのでした。私たちが言語の呪縛と洗脳から解き放たれる時は近い…。
最後に…書こうかどうか迷いましたが、僭越ながら…この「青緑の澄性」、驚くほどに私自身のピアノの即興演奏のスタイルに近くてびっくりしました。どこかでつながっていたんでしょうか。
なるほど、私の、ピアノが弾けないのに弾けるというのは、「不定調性論」的には普通にありえることなんですね(笑)。
寺内さん、本当にありがとうございました。ぜひ近いうちにお会いしましょう!
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