« 『椿井文書ー日本最大級の偽文書』 馬部隆弘 (中公新書) | トップページ | 教育用テレカン(遠隔授業)ツールの開発を! »

2020.05.29

『きみはいい子』 呉美保監督作品

 

 近、夜中か早朝に1本映画を観るというのが習慣になっております。

 今日の未明に観て、めちゃくちゃ感動したのがこの映画です。富田靖子さんシリーズで何気なく選んだのですが、うん、今まで観た映画の中で間違いなくベスト10に入ると思います。

 ものすごく丁寧に作っているなあというのが理性的な感想。言葉にならない涙が溢れたのが、感覚的、本能的な反応。

 そのバランスが素晴らしかった。これは実に映画的な映画です。映画の素晴らしさ、奥深さを堪能できました。

 児童虐待、痴呆、自閉症、学級崩壊…それらをこうして文字で並べてしまうと、なんとなく観るのが辛い、暗いイメージになってしまうと思いますが、実際の感想は全く逆。なぜか温かい気持ちになり、日々を生きる勇気が湧いてきます。

 原作が優れているというのも事実でしょう。しかし、それ以上に、ここまでリアルに映像化した監督さん、役者さん、子供たち、スタッフの皆さんに心から敬意を表したい。

 一昨日紹介した「トゥルーマン・ショー」とは、あらゆる面で対照的ですが、これもまた映画、あれもまた映画。それが映画の素晴らしさですね。

 こちらは、どこにでもある街の、どこにでもある日常。主人公がいるわけでもなく、しかしみんなが主人公。登場人物の、それぞれの傷は、観る人自身のどこかのピースに必ずフィットします。誰もがどこかに共感、共鳴できるから感動する。

 傷があっても、欠陥があっても、こうしてお互い補い合って、抱きしめ合って生きているという幸福感。ハッピーエンドではないし、完全な解決には至りようもありませんが、しかし、もうそれでもいいんだという安心感。

 これは、親、教員、いや全ての大人に観てもらいたい名作ですね。

 誰かの演技をほめようと思いましたが、全員素晴らしすぎるのでやめます。特に子供たち。なんでこんなに自然な演技ができるのでしょうか。もう演技という枠を超えてしまっているのかもしれませんね。奇跡的だとさえ感じました。

 これは本当におススメの映画です。この映画に出会えて良かった。つないでくれた富田靖子さん、ありがとう。

Amazon きみはいい子

|

« 『椿井文書ー日本最大級の偽文書』 馬部隆弘 (中公新書) | トップページ | 教育用テレカン(遠隔授業)ツールの開発を! »

育児」カテゴリの記事

映画・テレビ」カテゴリの記事

心と体」カテゴリの記事

文化・芸術」カテゴリの記事

教育」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 『椿井文書ー日本最大級の偽文書』 馬部隆弘 (中公新書) | トップページ | 教育用テレカン(遠隔授業)ツールの開発を! »