富士登山の中止…
今年の夏の富士登山はなし。
山梨県側の吉田口と静岡県側の三つの登山道、すなわち一般の人が使う登山道の全てが今年は閉鎖するという発表がありました。
戦後ずっと20万人くらいが登山してきた富士山。ほとんど登山者がいなくなるのは、終戦の年、昭和20年以来ではないでしょうか。
戦前や戦中は今とは違った意味で登山者が多かった。それについては、かつてこんな記事を書きました。
もう一つの富士山(その1)昭和13年「防共盟邦親善富士登山」
もう一つの富士山(その2)昭和17年の吉田口登山者は20万人
この時代の富士登山についてはあまり研究されていないというようなことを書いていますが、山梨学院大学の佐藤弘さんと松本武彦さんの優れた論文がありました。
戦時国民統合の国際的契機 ―昭和13年のふたつの富士登山をめぐって―
ここにもあるように、昭和20年の登山者数は不明です。まああの年の登山シーズンは最悪の状況でしたから仕方ありませんね。それでも、最後の祈りをこめた意味での登山者は皆無ではなかったのではないでしょうか。富士山頂測候所も機銃掃射されるような状況ですから、まさに命がけの登山だったのでしょうが。
そう考えると、やはり今のこのコロナ禍というのは「戦争状態」なのかもしれませんね。
かつては富士山は禁足の山、あるいは遥拝の山でした。もちろん噴火したり噴煙を上げていたりして、人を寄せ付けなかったということもありますが、富士山自体が御神体と考えられていた時期が長かったわけで、そういう意味では今年は富士山は御神体に戻るのかもしれませんね。
富士山鎮火の祭祀である「吉田の火祭り」も今年は中止。昭和19年も20年も規模縮小とはいえ行われたお祭です。それが中止。
御神体に戻るだけでなく、かつての男性的な荒御魂の象徴たる富士山が復活する、つまり怒りの噴火を起こすことがないように祈ります。いや、富士山に住んでいる者としては、かなり真剣な祈りですよ。洒落になりません。
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