プレイエル・スクエア・ピアノによるショパンのノクターンとワルツ
「さびしんぼう」「別れの曲」からの流れ。今日もショパンを聴きましょう。
「別れの曲」と同じくらいメジャーな作品「ノクターン 作品9の2」です。
ここでは、「普通」の演奏ではない、しかしオリジナルに(ショパンの想定した音世界)に近い演奏をどうぞ。
1843年製のプレイエルのスクエア・ピアノを、幅広い活動をしているピアニストでありピアノ研究家でもある松原聡さんが演奏しています。
この素晴らしい歴史的楽器を修復したのは、日本を代表するピアノ修復師の和田明子さん。
この曲はもともと、ピアノメーカーのプレイエル社の社長夫人に献呈されたものですから、こうしてプレイエルの、それも奥様が弾きそうな可愛らしいスクエア・ピアノで演奏するのは大いにありだと思います。
スクエア・ピアノらしい繊細かつ粒の立った音を最大限に生かした演奏ですね。調律も平均律ではないので、「普通」の人からするとちょっと不自然に聞こえるかもしれない。
あっそうそう、この松原さんの装飾音(変奏とも言える)は、ショパン自身の演奏を弟子が書き取った楽譜によるものでしょうか。
この曲は、どちらかというと構成や曲調が単調なので、ある意味即興的変奏をすることを前提に作られているような気がします(私なんかでも、頭の中ではいつも違った変奏がなっています…それを音に、あるいは楽譜にできないのは残念)。
また、松原さんのように伸縮自在の演奏が前提だったかもしれない。そんな気がしてくる名演奏ですね。楽器との対話の中で生まれてくる自由な、いや他由(?)な創造性。
同じ楽器による演奏、これまた有名なワルツの7番も聴いてみましょう。これもまた素晴らしい。
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