『さびしんぼう』 大林宣彦監督・富田靖子主演作品
大林宣彦監督がお亡くなりになりました。まさに監督のお人柄のとおりであった、あの叙情的表現は永遠です。青春の切なさを表現した作品として、かつて私は三つの映画を紹介させていただいたことがありました。
そのうちの一つがこの「さびしんぼう」です(ほかは「この窓は君のもの」と「渚のシンドバッド」)。今日追悼の意をこめて久しぶりに鑑賞しました。
当時、私は富田靖子さんの大ファンだったので、静岡の映画館で一人観た記憶があります。違った意味で好きだった松田聖子さんの「カリブ・愛のシンフォニー」と同時上映でしたので、めちゃくちゃ堪能しました。対照的な作品でしたが(笑)。
この歳になって観ますと、これは初恋や失恋の物語というより、親離れ子離れの物語ですね。そういう切なさを感じてしまいました。そして、ある種のミュージカルだなと。音楽の存在感が非常に大きい。そこもまた叙情なのでしょう。
娘たちも一緒に観ていましたが、今の高校生、大学生からすると、なんともこそばゆい、過剰な表現に感じるようでした。私が思わず泣いているのを見て笑っていました(笑)。
う〜ん、それにしても富田靖子さん、か、かわいい…。やっぱりいいなあ。一人四役の大活躍。大学生だった私は、レコードも写真集も買いましたよ。どこかに眠っているはずです。
そうそう、昨年秋、この映画が劇場上映されたんですよね。大林監督も舞台に上がる予定だったが、当日になって体調不良でキャンセルとなり、富田靖子さんと小林稔侍さんが思い出を語ってくれました。
富田さん、変わりませんね。素敵な大人の女性になっていらっしゃる。そして小林稔侍さん、いいなあ、この感じ。
このトークでも話題になっていましたが、この映画を黒澤明監督が非常に高く評価し、影響を受けて「夢」を作ったということです。たしかに大林さんにしか撮れない写真ですね。独特の美の世界です。
私の青春を、いや人生を彩ってくださった大林監督に心より感謝し、そしてご冥福をお祈りします。晩年の反戦作品もぜひ鑑賞したいと思います。
| 固定リンク
「ニュース」カテゴリの記事
- バイバイ! グレート・ムタ(2023.01.22)
- 地震に注意?…月が992年ぶりに地球に大接近(2023.01.21)
- 共通テスト「国語」のモヤモヤ(2023.01.16)
- 追悼 高橋幸宏さん(2023.01.14)
- 追悼 ジェフ・ベック(2023.01.12)
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- しばたはつみ・伊東ゆかり・マリーン・スペクトラム 『ストリート・プレイヤー』(2023.01.26)
- 『永遠のジャンゴ』 エチエンヌ・コマール監督作品(2023.01.23)
- 『光を追いかけて』 成田洋一監督作品(2023.01.05)
- 湯木慧 『心解く』(2023.01.04)
- みうらじゅんの『最後の講義』(2023.01.03)
「音楽」カテゴリの記事
- アース・ウィンド・アンド・ファイアー 『リーズンズ』(2023.01.27)
- しばたはつみ・伊東ゆかり・マリーン・スペクトラム 『ストリート・プレイヤー』(2023.01.26)
- 高中正義&野呂一生 (Crossover Japan '05)(2023.01.24)
- 『永遠のジャンゴ』 エチエンヌ・コマール監督作品(2023.01.23)
- 村下孝蔵 『初恋』(2023.01.20)
「歴史・宗教」カテゴリの記事
- 出前機はすごい!(2023.01.29)
- 『永遠のジャンゴ』 エチエンヌ・コマール監督作品(2023.01.23)
- 地震に注意?…月が992年ぶりに地球に大接近(2023.01.21)
- アナザーストーリーズ 『戦後最大のヒーロー 力道山 知られざる真実』(2023.01.11)
- 『光を追いかけて』 成田洋一監督作品(2023.01.05)
コメント