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2020.04.11

『さびしんぼう』 大林宣彦監督・富田靖子主演作品

 

 林宣彦監督がお亡くなりになりました。まさに監督のお人柄のとおりであった、あの叙情的表現は永遠です。青春の切なさを表現した作品として、かつて私は三つの映画を紹介させていただいたことがありました。

 そのうちの一つがこの「さびしんぼう」です(ほかは「この窓は君のもの」と「渚のシンドバッド」)。今日追悼の意をこめて久しぶりに鑑賞しました。

 当時、私は富田靖子さんの大ファンだったので、静岡の映画館で一人観た記憶があります。違った意味で好きだった松田聖子さんの「カリブ・愛のシンフォニー」と同時上映でしたので、めちゃくちゃ堪能しました。対照的な作品でしたが(笑)。

 この歳になって観ますと、これは初恋や失恋の物語というより、親離れ子離れの物語ですね。そういう切なさを感じてしまいました。そして、ある種のミュージカルだなと。音楽の存在感が非常に大きい。そこもまた叙情なのでしょう。

 

 

 娘たちも一緒に観ていましたが、今の高校生、大学生からすると、なんともこそばゆい、過剰な表現に感じるようでした。私が思わず泣いているのを見て笑っていました(笑)。

 う〜ん、それにしても富田靖子さん、か、かわいい…。やっぱりいいなあ。一人四役の大活躍。大学生だった私は、レコードも写真集も買いましたよ。どこかに眠っているはずです。

 

 

 そうそう、昨年秋、この映画が劇場上映されたんですよね。大林監督も舞台に上がる予定だったが、当日になって体調不良でキャンセルとなり、富田靖子さんと小林稔侍さんが思い出を語ってくれました。

 

 

 富田さん、変わりませんね。素敵な大人の女性になっていらっしゃる。そして小林稔侍さん、いいなあ、この感じ。

 このトークでも話題になっていましたが、この映画を黒澤明監督が非常に高く評価し、影響を受けて「夢」を作ったということです。たしかに大林さんにしか撮れない写真ですね。独特の美の世界です。

 私の青春を、いや人生を彩ってくださった大林監督に心より感謝し、そしてご冥福をお祈りします。晩年の反戦作品もぜひ鑑賞したいと思います。

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