『侵略の世界史』 清水馨八郎 (祥伝社)
この500年、白人は世界で何をしてきたか
コロナ禍も世界史の文脈で読み解くと、その本質が第三次世界大戦であることがよくわかります。
もちろん今は目の前の危機を乗り越えることが重要です。そして、それは世界史におけるいかなる有事においても、その時はそのとおりでした。
しかし、たとえばアメリカの公文書が公開されて、先の大戦の本質が見えてきたように、未来にはこのコロナ禍がまた別の意味を持つ時が来ることでしょう。
このブログで何度も書いているように、私に入ってくる情報から見えてくるのは、アメリカのしかけと中国の報復というストーリーです。
アメリカの「しかけ」については、この本でも強調されています。テキサス革命から米墨戦争の端緒となったアラモ砦の戦いや、米西戦争のメイン号事件、日米戦争の真珠湾攻撃。最近で言えば、湾岸戦争、911も…。
もちろん、それを陰謀論として片付けることもできます。しかし、もし自分が大悪人になって戦争をしたいと思ったら、やはり相手にあえて先制攻撃をさせたり、相手の先制攻撃を捏造したりすることを考えるでしょう。
そうすると、ルーズベルトの「私は戦争をつくるのだ」という言葉はもっともだと感じるはずです。
「リメンバー○○」には注意しなければなりません。今回も「リメンバー武漢」ということになりかねません。
さて、この本、徹底した白人批判の本です。こちらの精神状況によっては、実に痛快とも言えますし、一方で不快とも言えます。歴史語りというのはそういうものなのですね。おそらく中韓で教えられている歴史は、こうした徹底した日本人批判なのでしょう。そういうことを知る、つまり、自分の歴史受容の心理を知るには、とてもいい本だと感じました。
ちなみに、戦前・戦中の仲小路彰も、どちらかというとこの本のような白人批判を繰り返していますが、戦後はかなり違った論調になっています。たとえば反米から親米に変化しているようにも見える。それを一貫性がないと批判することは簡単ですが、そうではなく、やはり超天才でも歴史受容の心理に揺れがあったということでしょう。
人間の心というのは、かくもコロコロ変わるものなのです。
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