「確変モードの最高に面白い時代」安宅和人
昨日の「exponential」をキーワードにしている方、私の尊敬する偉人の一人、安宅和人さんのお話を聴いてみましょう。
東大→マッキンゼー→イェール大学→ヤフーCSO→慶応大学SFC教授その他いろいろ、というすさまじい経歴を持つ、この素晴らしい天才はどのように未来を見据えているのか。どういったところに「exponential」なシーンを観ているのか。
そう、今ちょうど安宅さんの「シン・ニホン」を読み始めたところです。すごい本です。また近く紹介しようと思います。
私のような凡人(凡宇宙人)が、こんなことを言うのは愚でありますが、今最もお話してみたい天才的な宇宙人は安宅さんです。おそらく同じ言語で話すことはできないと思いますが、その本質は共有できるのではないか勝手に思っております。
「exponential」というのを、安宅さんは「確変モード」と言い換えていて、なるほどなと思いました。「指数関数的」のエネルギー感、それも+のエネルギー感を表現するには、たしかに「確変モード」は言い得て妙。
大当たりが次の大当たりを生み、ブラックホールがどんどん密度を高めて重力を増し、それがまた吸引力になっていくという、あの「止まらない」感じがなんとも興奮を誘いますね。
しかし、ブラックホールも最後には全てを吸い込み、自分自身すらをも永遠に吸い込み続けて「空」に漸近してゆく、いや漸近するが到達しないという地球上の数学の世界とは違って、たしかに「空」に達する時が来て、その瞬間時間は逆転しはじめ、それがすなわちそのままホワイトホールになります(宇宙人の知っている物理学)。
そんな「折返し」が、実は低次元のこの地球上の私たちの営みにも投射されて現実化するんですね。
今、そういう時代に来ているのかもしれません。その折り返し地点が真のシンギュラリティなのではないでしょうか。
さて、そんなドラスティックな時代に生きる私たちは、とうに Old Game を捨てて New Game のステージに移行しなければならないのに、まあなんでしょうこの日本のザマは(私も含めて)。
つまり、私たち教育者は「妄想する危ない人」を育てる、いやまずはそういう人たちを殺さないようにしなければならないのです。
「夢(課題)×Tech(技術)×Art(デザイン)」とありますが、実は夢もTechもArtも「未来の記憶(未来からの情報)」なんですよね。その、「未来の記憶」というモノをコトにするための力を、私は妄想実現力と呼んできました。
その力を身につけるためには、まずは過去の記憶の呪縛から解き放たれる必要があります。過去を無視しろというのではありません。過去という引力から自らを引きちぎって飛翔することこそが、未来に向かう推進力になるのですから。最初から解き放たれていては何も生まれません。
だから、旧来の「勉強」も否定しないのです。その重力圏から脱出することを同時にやっていかねばならないということです。
安宅さんもおっしゃっていますが、まずは都市という重力から脱出しなければならないでしょうね。私の「シン・ガッコウ」(?)も、基本それを志向しています。都市は「コト」の集積回路ですから。
安宅さんの3年前のTEDも面白いですよ。明るい諦観がいいですねえ(笑)。
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