『AKIRA アキラ』 大友克洋監督作品
「2001年宇宙の旅」の時なんかもそうでしたが、時代が作品に追いつく感覚って面白いですよね。
実際は全然追いついていないこともあったりして。
さて、ネット上では少し話題になっていましたが、大友克洋さんの代表作「アキラ」になんとなく予言的なところがあったんですよね。
映画「アキラ」が公開されたのが1988年。32年前ということになりますね。
そして、作品の舞台は2019年の「ネオ東京」。そこでは2020年の「東京オリンピック」の準備が…。
いや、まず、2020年に東京オリンピックが行われるという発想自体、神予言ですよね。あの頃、だれがそんなこと考えましたか?
すごい。
そして、その看板には「中止だ中止!」とあったり、原作には「WHO 感染症対策を非難」とあったり、うん、やっぱり大友さんはすごい。
まあ、実際に追いついた「東京オリンピック開催迄あと147日」の昨日2月28日は、たしかに新型コロナウイルスのために非常事態になっておりますが、「アキラ」ほどのヤバさはありませんね。
今が大変だ、オリンピック中止だという人は、ぜひ「アキラ」を観てほしい。まだまだ平和だと思いますよ(苦笑)。
なにしろ、国立競技場を中心に東京は全て破壊されますから。たしかにあれじゃあ中止はやむを得ませんね。
実は今日、久しぶりに全編観たのですが、「前総理の税制の失敗」なんかも出てきたり、また軍部が武装して決起したりして、それはまるで二・二六事件のようでもあり、なんかたしかに何かとシンクロしているような気もしました。
1988年当時、私は24歳、新米教師でした。あの頃はまさか、2020年に昨日の卒業式や来週からの休校のために仕事をしているとは夢にも思いませんでした。2020年は56歳かあ…とは思いましたけどね。オリンピックがあるとは、もちろん考えもしなかったし。全然未来予測できない若者でした。
「アキラ」のネオ東京は、第三次世界大戦後の復興途上の都市。つまり、大友さんも言うように、1988年の段階では「昭和」の戦後と復興を未来的に描いたわけですよね。
それがこうして時代が追いついてみると、なんとなく「今」を感じる。やはり歴史は繰り返すのでしょうか。
それにしても、このアニメ映画、たしかに今観ても、とんでもないスケール感がありますね。ストーリー的にも、映像的にも、令和の私たちの予想をどんどん上回っていく。そして、未来的メッセージ、未来的解答が無限に存在する。
なるほど、日本を代表する、世界で最も有名な日本アニメの一つであるというのもうなづけますね。
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