狂言 『節分』
今日は節分です。我が家の節分については、こちらをお読みください。
また、節分ネタで中学の入試問題を作ったのがこちらです。小学生向けにわかりやすく書いたつもりです。
今朝テレビを観ていたら、山梨の節分についてやっていました。
「鬼のまなこをぶっつぶせ!」「◯◯の口焼きペッペッペッ」
いかにも山梨らしい(?)荒っぽさですね(笑)。さすが「生黄泉」。地理的、歴史的に、どうしても「敵味方意識」が強くなるのはしかたありません。嫌うと徹底的に嫌いますからね。
ところで、昨日の観世会、狂言は時節柄「節分」でした。これが実に面白かった。
蓬莱から日本に来た鬼が、留守番をする人妻に一目惚れしてしまい、最後は人妻に宝を取られて退散する…。
基本は「鬼は外」のお話ですが、最終的には「鬼より女の方が強い」というオチ(笑)。観ている方は、だんだん鬼が可哀想、あるいは可愛く思えてくる。
石川五右衛門人気や現代アニメの悪役人気にもつながる、日本人独特の心性ですね。善悪二元論では片付けられない世界観。弱者憐憫、判官贔屓という優しさ。
そう考えると、山梨ってちょっと日本離れしていますよね。地理的、歴史的に隔離され、また渡来人が大量に移住してきたり、落人、流人が多かったというのもあるかもしれません。
今回の狂言「節分」の演者もお見事でした。どう見ても女性役の方が鬼役よりも大柄(笑)。女の強さやずるさと、鬼の憎めない可愛らしさを見事に表現しておられました。
そして、やはり、能に挟まれた狂言の機能ですね。あの世(高次元)からこの世へ、一度私たちを引き戻してくれる。あのまま、あの世に連れて行かれたら、きっと本当に死者が出ますよ。
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