ウルトラQ・ザ・ムービー 『星の伝説』 佐々木守脚本・実相寺昭雄監督作品
能や狂言につながる、現代の「モノガタリ」。怪獣もの。
怪獣ものや宇宙人もの、ヒーローものと言うと子ども向けとも捉えられがちですが、日本では特に大人が観ても楽しめる、いや学べるものが多い。これはやはり、日本の「物語」の系譜ですよね。
特にこの映画作品は、正直子どもにはチンプンカンプンでしょうし、怪獣もちょっとしか出てこない、ヒーローも出てこない、かなりマニアックな内容となっています。
事件の発端は「山梨」の古墳。境川のあたりでしょうか。そこからまあ始まる始まるディープな古代史と物語の世界が(笑)。
1990年、平成2年の公開かあ。バブルの陰の光に照射され、たしかに古代史や宗教、縄文などが人気でしたね。私もしっかりはまっていました。
浦島伝説、天女伝説、竹取物語、遮光器土偶、吉野ヶ里遺跡、常世信仰、秦河勝…。
そうした「モノ」をいろいろ詰め込んだ感が強く、内容としてはいろいろツッコミどころがありますが、それは佐々木守さんらしさであるとも言えます。またその混沌を見事に異形の映像美に仕上げた、実相寺昭雄さんという変態的巨匠の力によって、それこそ能の異形の形式美のような独特な世界が現出しています。
今、とてもこんな映画作れませんよね。時代の産物であるとも言えましょう。CGではなく光学的な特撮がほとんどのようで、それはそれで味わい深く、内容にマッチしているように感じますね。
Amazon 星の伝説
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