追悼 上原正三さん
帰ってきたウルトラマン「怪獣使いと少年」で、少年であったワタクシに多大な影響(トラウマ)を与えてくれた脚本家、上原正三さんが亡くなったとのこと。
私の「怪獣使いと少年」体験は、現在の私を形成する大きな要素になっています。
ご存知ない方はこちらからそのストーリーをお読みください。読むだけでも結構衝撃ですよね。
ちょうど15年前にこのブログにも書いていました。娘たちは当時まだ5歳と3歳か。ウルトラマンマニアだった長女もあさってには成人式(笑)。まあブログもよくも毎日書いてきたなあ。
さて、上原さんの代表作たるこの作品。音楽と静止画でじゅうぶんですね。けっこうきつい。
全編ご覧になりたい方は、こちらで検索してどうぞ。
1971年の放送ですから、私は7歳。かなりきついですよね。
現在55歳になった私が、なぜか自分を宇宙人だと言い出したり、差別されたモノ、異形のモノ、敗けたモノに異様にシンパシーを抱くという、そういった心性を涵養するのに、この作品が果たした役割は小さくないと思います。
そう、今日、能楽師を目指している次女とネットで「道成寺」を見ていたんですが、やっぱり最後、悪者として退治される毒蛇女が可哀想でしかたなくなってしまった。僧侶たちめ!とヒーローを憎む心さえ…。
逆に言えば、単純な勧善懲悪に陥らない文化が、日本には脈々と続いているとも言えますね。神話の世界から。
こういう心性がベースになって、偽書と言われて嘲笑される宮下文書に興味を持ったり、弾圧された出口王仁三郎のファンになったり、忘れ去られた仲小路彰を研究したりということになったのでしょうね。
もちろん、それで良かったと思うのですから、私にとって感謝すべき上原正三さんは人生の師匠ということになります。
そして、上原さんの師匠である金城哲夫さんですかね。こういう教育もありうるわけです。物語の、メディアのすごさでもありますし、また怖さでもあります。
感謝と尊敬の念をこめながら、ご冥福をお祈りいたします。
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