『薬師如来―病苦離脱へ』 飯塚幸謙(集英社)
貴重な「薬師如来」本。
最近の人生テーマの一つが「薬師如来」です。
この本の表紙にもあるように、薬師如来は左手にあるモノを持っています。
これは「薬壷」と言われていますが、本当は違う。そのことについては、最近もこちらに書きました。
「オンコロコロ センダリ マトウギ ソワカ」という薬師如来の真言の意味については、実はこの本にも詳しくは載っていません。
真言とはいうのは、その意味よりも音が大切なので、無心にお唱えするのが良いとのこと。自我(コト)を超えるために、言語を他者(モノ)化するわけですね。
この本は、薬師如来だけでなく、仏教の歴史を俯瞰できる内容になっています。たしかに、薬師信仰はある意味仏教を超えた民間信仰(ご利益信仰)ですからね。こうして薬師如来を入り口に仏教の奥義に踏み込んでいくということは、おそらく薬師如来さん御本人にとっても本望ではないでしょうか。
そう、未来医療器具の「コロコロ」も、自我を捨てて、徹底的に利他にならないと効き目がないんですよね。
そうした「意識」が物質(や肉体)に影響を及ぼすという、かつては宗教的な、そして現代においては科学的な「真実」を理解することこそが、これからの時代の幸福の鍵になってくると思います。
今は古書でしか手に入らない本ですが、常に書棚に置いておきたい一冊です。
Amazon 薬師如来―病苦離脱へ
| 固定リンク
「心と体」カテゴリの記事
- ジャンボ鶴田さん23回忌(2022.05.13)
- 『教祖・出口王仁三郎』 城山三郎(その8)(2022.05.10)
- お金の力(2022.04.30)
- 『都道府県別 にっぽんオニ図鑑』 山崎敬子(ぶん)・スズキテツコ(え) (じゃこめてい出版)(2022.04.24)
- いのちの歌(2022.04.15)
「美術」カテゴリの記事
- みうらじゅん×山田五郎 『仏像トーク』(2022.05.18)
- 高松塚古墳壁画発見50年(2022.03.21)
- 犬目宿からの富士山(2022.01.07)
- 『細江英公の写真:暗箱のなかの劇場』 (清里フォトアートミュージアム)(2021.11.28)
- 縄文ドキドキ総選挙で山梨勢が1位・2位!(2021.11.25)
「自然・科学」カテゴリの記事
- 現在の観測が過去を変える?!(2022.05.24)
- この世界を支配する“もつれ”(2022.05.23)
- 「核融合発電の時代はくるの?」専門家に聞いてみた(2022.05.21)
- みうらじゅん×山田五郎 『仏像トーク』(2022.05.18)
- 出口王仁三郎 「天災と人震」(『惟神の道』より)(2022.05.14)
「歴史・宗教」カテゴリの記事
- この世界を支配する“もつれ”(2022.05.23)
- 『ウルトラ音楽術』 冬木透・青山通 (集英社インターナショナル新書)(2022.05.22)
- みうらじゅん×山田五郎 『仏像トーク』(2022.05.18)
- マカロニえんぴつ 『星が泳ぐ』(2022.05.17)
- THE BOOM 『島唄』(2022.05.16)
コメント