BeatleDNA『Power To The Pop』
ひさ〜しぶりにCDを買いました。そして大満足!
なんだろうなあ、やっぱりストリーミングとは違う、あの感じ…ノスタルジーだと分かっていても、やはりこれは「もの」として所有し、そしてその「もの」をセットしてかけたい。
そして、ジャケットを眺め、解説を読み…そういう儀式の世代ですからね。アナログレコードからCDになっても、その儀式は基本変わらなかったわけで。
さて、肝心の内容についてです。
ビートルズに多大な影響を受け、その魂を受け継いだミュージシャンたちによる珠玉の「POPS」たち。
「沼」の表面をなぞっただけで、とてもマニアとは言えない、浅めのビートルズファンでありELOファンである私ですが、こうしてその「沼」の広さ、深さを感じるだけでも、それこそ「感じちゃう」のでした(笑)。
大げさでなく、「生きてて良かった!」「音楽が好きで良かった!」「ビートルズに出会えて良かった!」と思いました。
小学校高学年でビートルズに出会い、中学でELOにドハマりし、その後それらの影響からヴァイオリンを始め、高校時代にはいつかビートルズ風な楽曲を演奏するバンドをやりたいと真剣に考え、しかし、今ではなぜかバロック・ヴァイオリニストの端くれにまでなった私。そこから無限に広がったご縁。
「YESTERDAY」風に言えば、ビートルズがいなかったら、今の私は全然違う人生を歩んでいたのです。
この企画のディレクターである白木哲也さんは、私と同じ1964(昭和39)年生まれ。だからということもありますが、こうした「自分だけの」コンピレーションをいつか作りたいという気持ち…それは間違いなく「愛」なんですが…そんなところにも大共感するのでありました。
一途に「愛」を貫き通した白木さんの「自分だけ」が、こうして日本のみならず世界の「決定盤」になりそうなのを見て、ちょっとしたジェラシーすら覚えます。浮気しすぎたな、私は(笑)。
いやはや、正直な話、これほど「知らないいい曲」があるとは知りませんでした。反省です。浮気しているうちに、これほどたくさんのBeatleDNAが生まれ、育っていたとは。
全41曲。DISC1でさえ3分の1は未知の曲でした。DISC2に至ってはほとんど初体験。だからこそ、まるでビートルズの新曲を聴くかのように楽しめたのでしょう。
私の守備範囲であるELOから選ばれたのが「夏の日」というのは、ある意味意外で嬉しかった。隠れた名曲である「夏の日」をビートルズ文脈で聴いたことがなかった。なるほど「ミスター・ブルー・スカイ」では面白くなかったかも。許諾が取れなくて良かった(笑)。
…と、そんな具合で、私にとっての「いい曲」とは、そうか、やっぱり「POP」なのだと、この歳になって再確認した次第であります。
さあ次なる私の仕事(?)は、キーボードを弾きながらこのアルバムを聴くことです。つまり、私の音楽観の根底にある「POP」とはなんなのか、その文法をいちおう歳相応に身につけた音楽学の知識を総動員して明らかにすること。これがまた楽しいのですよ。13世紀くらいから始まった和声音楽の歴史の中で、現代の「POP」がどういう位置にあるのか確かめたいと思います。
最後に、これって「邦楽盤」も全然ありえますよね。私の守備範囲では、UNICORN(奥田民生)からのフジファブリック(志村正彦)なんかも。そうビートルズがいなければ、彼らもいなかったわけですよね。
あれから半世紀たちましたが、ますますビートルズの価値は上がり続けているのでした。偉大なり。
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