佐藤俊介 『バッハ 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 2番』
昨日公開された動画。すごい。
ようやくここまで来ましたか、バロック・ヴァイオリンの演奏も。
バロック・ヴァイオリンのムーヴメントをずっと見てきた、そしてその中で多少は演奏もさせていただいてきた者としては、この境地を若い日本人がやってのけてくれたことに格別な感慨をいだきます。
言葉で説明すると野暮になってしまいますので、とにかく聴いて観て(ここが大事)ください。
聖書のように扱われて、そのために、たとえば繰り返しにおける即興的変奏もどこか許されてこなかったこの作品。佐藤さんは、いかにも自然に軽やかにそうしたかつての「良識」を越えてくれました。
守破離。素晴らしい。
そして、あらためてバッハはすごい。なんだ、このシャコンヌは。あらためて驚愕。
シャコンヌの「空」については、昨年こちらに書きました。もう一つ付け加えるなら、このシャコンヌの最後の「d」音が、実はシャコンヌ冒頭の「空」白の1拍目になり、結果として無限にループする輪廻になりつつ、しかし螺旋状に上昇していくという構造になっています(そんなこと誰も言ってませんが、私にはそう聞こえます)。
しかし、今回佐藤さんの演奏を聴いて、いやシャコンヌの冒頭ではなく、アウフタクトも含めて、このパルティータの冒頭、アルマンドの1拍目にループするのではないかと(初めて)感じました。面白いですね。
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