『法然上人絵伝』 (山梨県立博物館)
親鸞が追い求めた師の姿
山梨市に用事があり、その帰りにふと立ち寄ってみたのですが、これが想像をはるか上回る素晴らしさでした。
私は教員なので、博物館はいつ何度行っても無料。無料だから行くというのも正直ありますよね。この展覧会は通常1000円ですから、ちょっと二の足を踏んでしまうかもしれません。
たしかに1000円払っても納得の、いやそれ以上の展示内容でした。
基本は、このたび修復が完了した、山梨県甲州市勝沼の古刹万福寺旧蔵の法然上人絵伝掛図を初公開という内容なのですが、それ以外の掛図等の展示が充実しすぎていて、びっくりしました。
国宝や重文も全国の名刹から集められており、またそれらと肩を並べて、地元富士吉田の新倉三ヶ寺や忍野の安養軒に秘蔵されてきた名品も多く出品されていて感動しました。
つまり、現代の私たちが勝手につけたランキングとは関係なく、純粋なる信仰心は平等だなあと。
それからやはり、絵図(掛図)の特徴として、「時空を超える」というのがありますよね。日本絵画では当たり前ですが、一つの画面に、たとえば法然上人の一生が描かれている。複数の時間と空間が自然に一同に会している。つまり、人間の記憶や夢のような、「脳内リアリズム」ですよね。西洋絵画のリアリズムとは違う。
そこにもある種の「平等性」を感じ取りました。なるほど、仏教の世界、極楽浄土とはそういうところなのだあと。
25日まで。ギリギリ行ってよかった。
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