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2019.08.27

バッハ 『カンタータ103番』より

 近、先生方の研修の講師をやる機会が増えました。私なんかでいいんでしょうか(笑)。

 まあ、フツーの先生とはかなり違った変な話をするので面白いのでしょう。気づきは多いかもしれません。

 そんな気づきネタの一つが「リコーダーと甲子園」です。そう、学校に残る戦争文化、軍隊文化の例ですね。

 なぜ世界中で日本だけ、全国民がリコーダーを吹いたことがあるのかという話。実はナチスにつながるのですね。

 …と、今日はその話をしようと思って書き始めたのではないので、またいつか。

 そんないろいろと謎のあるリコーダーですが、音楽の父バッハも、非常に象徴的にこの楽器を使っています。

Th_-20190831-104744 今日紹介するカンタータ103番「汝らは泣き叫び」 もその一つ。ここでは最も高い音を出す(つまり小さい)フラウト・ピッコロが指定されています。

 楽譜を見ますとなんだかちょっと変。全体としてはD-durなのですが、フラウト・ピッコロのパートはF-durで書かれいてます。すなわち、この楽器はA管ということになりますね。

 さらにト音記号が3度下に置かれるフレンチ・クレフになっていますので、結果として五線上の音符の位置からすると、たまたま実音と同じになっています。そのためか後の校訂譜では、それをそのままト音記号のニ長調で読んで(結果として1オクターブ下になりますが)、普通のヴァイオリンやトラヴェルソで演奏してもよいと書かれています。フラウト・ピッコロが手に入らない時代があったのでしょう。

 で、このカンタータの第1曲合唱では、華やかなリコーダーのパートが、いかにも天上の響きという感じで疾走します。激しい分散和音と上がったり下がったりの半音階進行が実に印象的です。ここにはイエスの恍惚や苦悩が表現されているのでしょうか。

 合唱のパートにも多くの半音階進行が登場します。それがなんとも不思議なかっこよさになっていますね。後半はその半音階進行が姿を消し、栄光の喜びに向かっていきますバッハの隠れた名曲だと思います。

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