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2019.08.23

『キネマの天地』 山田洋次監督作品

 近の「寅次郎」ブームの流れで観てみました。「寅次郎」とは「車寅次郎」ではなく、その名前のルーツになった映画監督、斎藤寅次郎。

 この映画では、斎藤監督の良きパートナーであった堺駿二さんの息子さんである堺正章さんが、斎藤寅次郎(作品内では内藤監督)を演じています。

 そして、この映画の監督は山田洋次さん、主演は渥美清さん。まさに「寅次郎」つながりの映画ですね。

 斎藤寅次郎関係では、「西部戦線異状なし」のパロディー「全部精神異常あり」(1929)と「モダン籠の鳥」(1931)の話が出てきます。特に「モダン籠の鳥」については、貴重なリメイクとなっていますね。原作は、他の戦前の斎藤作品同様、フィルムが行方不明となっています。

 また、映画の最後の方では蒲田撮影所から大船撮影所への引っ越しが暗示されていますが、この引越を機に斎藤寅次郎は東宝に移籍します。とにもスラップスティックを撮ってきた小津安二郎とは袂を分かつことになるわけです。

 それにしてもですね、カミさんとこの映画を観ながら話したのですが…この昭和の一桁時代が終わり、10年代になると、急に日本は戦争へひた走ることになります。大正末期から昭和一桁時代の平和で文化的な日本が、どうして一変してしまったのか。その過程はよく知っておくべきですね。

 

 

 

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