ノラ猫の学校
今日は教え子たちと飲み会。5人のうち3人は母校に帰ってきて先生をやっています。つまり同僚。
あとの二人は特別ゲスト。二人ともかなりのノラ猫でしたが、今はすっかりシンデレラストーリーを歩んでいます。
シンデレラとは違うか(笑)。一人は電通でコピーライターをやってます。彼女は、お隣の某公立高校のエリートクラスに入学したのに、1学期で不登校になってしまいました。勉強ばかりの生活にすぐ耐えられなくなったらしい。
で、その夏休み、ある人のツテで会ったところ、「これは絶対モノになる!」と思い、1年周回遅れでウチの学校に入り、のちに私が担任して卒業させました。
彼女と初めて話した日のことはよく覚えています。言葉のセンスが違った。普通ではない感覚。これは間違いなくアーティストかクリエーターになる!と直観したのです。
で、結局ウチの学校ではやりたいことだけやって、結果日芸の放送に合格しました。そして、学生時代からいろいろなコンクールなどで入賞。電通さんから引っ張られる形で入社し、今に至っています。
私たちのよく見るCMを企画したり、そのコピーを作ったり、まあ実に楽しそうな生活を送っております。
もう一人、いや一匹のノラ猫も同じクラスでした。彼女に初めて会った日のこともよく覚えています。なにしろ、中学生なのに「銀髪」で出てきたのですから(笑)。彼女はほとんど中学校に通っていませんでした。
しかし、やはり話してみると、夢がしっかりあり、そして賢いことがわかりました。電通行ったノラ猫同様、上から指示されてみんなと同じことをするのが苦手なだけでした。
結果、ウチの学校で引き受け、国立の医学部に現役合格しました。のちに私大の医学部に入り直し、今は県立中央病院の救急救命医として、ドクターヘリで飛び回り大活躍しています。いずれは紛争地に行きたいとか。
ウチにはリアルノラ猫が6匹いますが、こういうノラ猫たちもずいぶん拾って育ててきました(育てたというほどではありませんが)。これこそが「学校の先生」の醍醐味ですね。立派な飼い猫は勝手に健康的に育っていきますが、ノラ猫は拾ってやらないと、場合によっては死んでしまうこともあります。
今の仕事、つまりフツーの学校の先生を退職したら、ノラ猫だけを拾って育てる「学校」を作りたいと思っています。先生もノラ猫を集めたいですね(笑)。
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