『日米戦争を策謀したのは誰だ!』 林千勝 (ワック)
ロックフェラー、ルーズベルト、近衛文麿 そしてフーバーはーー
なぜ、いつも「平和」は「戦争」に負けるのか。
これは私にとっても大きなテーマです。
言い方を変えますと「善」は「悪」になぜ負けるのか、ということです。
これも永遠のテーマ。だいいち、「善」は「悪」を批判することによってしか現れ得ない。
この真実は強烈です。
ちょっと卑近な例になりますが、SNSを見ていますと、とにかく誰かを批判し、非難し、攻撃することによって「善」を装う人の多いこと。
いや、それを批判したら、自分も偽善者になってしまいますよね(笑)。そうではなくて、それが残念ながら「真実」だということです。
つまり、「悪」や「戦争」はこの自然界に先天的に存在するけれども、「善」や「平和」は私たちが後天的に作り出さねばならないものなのです。
そこで難しいのは、「悪」や「戦争」を自然だとして、それを批判し、非難し、攻撃するのもまた「悪」や「戦争」であるということです。SNSに限らずこの世に蔓延している「偽善」とは、「悪」や「戦争」そのものなのです。
それをまるで「善」や「平和」の運動だと思っている人が多いこと。これにはさすがの私も悲観的になります。
仲小路彰は「戦争学」の権威でした。世界史上の「戦争」の全て知りつくしていた。彼はそれらを批判したり、非難したり、攻撃することはありませんでした。あくまでも客観的に分析した。
「悪」や「戦争」という「自然」に対する姿勢として、それのみが正しいと知っていたからです。そして、それが「平和」の創造の唯一の方法であることも知っていた。
日本では、戦争についての研究や、悪についての冷静な分析を嫌う傾向があります。情緒的にそれらを避けたい、見て見ぬ振りをしたい、無視したい、徹底的に攻撃することによって眼前から排除したい、そんな空気があります。
残念ながら、情緒からは「善」や「平和」は生まれません。これも真実です。
「平和」はなぜ「戦争」に負けたのか。私からしますと、それは「戦争」が自然であって、私たちも自然だからです。「平和」が自然ではないという前提に立って、しかしそれを実現したいなら、自然のコントロールが必要になります。
近代科学はそれを目的として発達したはずですが、結果として皮肉なことに、核兵器の例を挙げるまでもなく、逆の結果を産んでしまいました。
では、では、どうすればよいのか。自然の摂理に従うしかないのか。大難を小難に、小難を無難にするためにはどうすればよいのか。
私はやはり、「戦争」の客観的な研究が必要だと思います。
こういう本が、そのはじめの一歩になるとよい。そして、仲小路彰の戦争研究と未来学、地球主義が世に出て、多くの人々がそこから学ぶことが重要だと思います。
Amazon 日米戦争を策謀したのは誰だ!
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