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2019.06.15

椎名林檎 『三毒史』

Th_71nkhlzrynl_sl1200_  日今日と、中学生と宿泊座禅。

 般若心経も何度もお唱えしました。

 その般若心経で始まるこのアルバム。その名も「三毒史」。

 三毒とは、「貪・瞋・」。今日はこの三毒から少しでも離れられるよう、座禅をしたり、作務をしたり、読経をしたり、写経をしたりしたわけです。

 「貪」はむさぼり。「瞋」は怒り。「癡」は愚かなこと。うん、たしかに私たちは日々これに囚われていますね。

 そこから脱するために、たしかに修行という手もあります。その一方で、それらをアート作品として昇華してしまうという方法もありますね。

 文学はもちろん、音楽や美術、演劇などにおいては、実はこの「貪瞋癡」がテーマになっていることが多くありますね。

 この椎名林檎さんの新作も、そうしたアプローチの一つ。三毒の世界を物語化することによって、日常から遠ざけることに成功しています。

 特に音楽は高次元に作用するので、「解脱」の手段としては有効でありましょう(最近、それを研究しています)。

 椎名林檎さん自体が、ある意味では三毒を昇華する存在だとも言えます。何度か書いているように、ものすごく「女性性」を持っているのに、なぜか同性から嫌われず、そして異性に「やる気」を出させる存在。これは高次元ですよ(笑)。

Th_220pxthree_poisons  このたびはステキな(煩悩の塊のような)男性諸氏とデュエットしておりますが、それぞれの男性がそれぞれの三毒を抜かれている様子、また、それに対して私たち受け手もまた、妙な嫉妬から解放されているという事実。これはやっぱり「画期的」なことですよ。

 お見事。

 あっ、あと細かいことですが、Amazonの解説で、貪=豚とあるのは間違いです。貪は鶏です。つまり、貪=鶏、瞋=蛇、癡=豚が正解です。1曲目の曲名が正しいということですね。

Amazon 三毒史

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