椎名林檎 『三毒史』
昨日今日と、中学生と宿泊座禅。
般若心経も何度もお唱えしました。
その般若心経で始まるこのアルバム。その名も「三毒史」。
三毒とは、「貪・瞋・癡」。今日はこの三毒から少しでも離れられるよう、座禅をしたり、作務をしたり、読経をしたり、写経をしたりしたわけです。
「貪」はむさぼり。「瞋」は怒り。「癡」は愚かなこと。うん、たしかに私たちは日々これに囚われていますね。
そこから脱するために、たしかに修行という手もあります。その一方で、それらをアート作品として昇華してしまうという方法もありますね。
文学はもちろん、音楽や美術、演劇などにおいては、実はこの「貪瞋癡」がテーマになっていることが多くありますね。
この椎名林檎さんの新作も、そうしたアプローチの一つ。三毒の世界を物語化することによって、日常から遠ざけることに成功しています。
特に音楽は高次元に作用するので、「解脱」の手段としては有効でありましょう(最近、それを研究しています)。
椎名林檎さん自体が、ある意味では三毒を昇華する存在だとも言えます。何度か書いているように、ものすごく「女性性」を持っているのに、なぜか同性から嫌われず、そして異性に「やる気」を出させる存在。これは高次元ですよ(笑)。
このたびはステキな(煩悩の塊のような)男性諸氏とデュエットしておりますが、それぞれの男性がそれぞれの三毒を抜かれている様子、また、それに対して私たち受け手もまた、妙な嫉妬から解放されているという事実。これはやっぱり「画期的」なことですよ。
お見事。
あっ、あと細かいことですが、Amazonの解説で、貪=豚とあるのは間違いです。貪は鶏です。つまり、貪=鶏、瞋=蛇、癡=豚が正解です。1曲目の曲名が正しいということですね。
Amazon 三毒史
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- 『ウルトラ音楽術』 冬木透・青山通 (集英社インターナショナル新書)(2022.05.22)
- マカロニえんぴつ 『星が泳ぐ』(2022.05.17)
- THE BOOM 『島唄』(2022.05.16)
- 笑点神回…木久蔵さん司会回(2022.05.15)
- 『フリーデマン・バッハのためのクラヴィーア小曲集』 ユアン・シェン(クラヴィコード)(2022.05.02)
「歴史・宗教」カテゴリの記事
- この世界を支配する“もつれ”(2022.05.23)
- 『ウルトラ音楽術』 冬木透・青山通 (集英社インターナショナル新書)(2022.05.22)
- みうらじゅん×山田五郎 『仏像トーク』(2022.05.18)
- マカロニえんぴつ 『星が泳ぐ』(2022.05.17)
- THE BOOM 『島唄』(2022.05.16)
コメント