『神の子 神の民』 芳賀日出男 (天声社)
芳賀日出男さん、日本を代表する民俗写真家です。現在97歳。息子さんの日向さんも同じフィールドで活躍しております。
芳賀さんの写真には、記録的側面とともに芸術性が感じられます。人々の生活や人生と、それを覆っている信仰の波動を、しっかりとらえていると言えるでしょう。
光という波を粒子としてとらえるのが写真です。その粒子に、いかに被写体の「信仰心」を写し撮るか、あるいは自らの思いをこめるか。そういう作品だと思います。
さて、この「神の子 神の民」は1964年の発行ですから、私が生まれた年ですね。大本の聖地を撮影した貴重な作品です。当時の教主は三代直日さん。
今回私がこの本を入手したのは、「富士の霊石」の写真があるに違いないと思ったからです。
私の予想は的中しました。富士の霊石としては初めて見る写真です。
この石が富士山北麓、明見(おそらく小明見)の舟久保家から運ばれ、宇宙の中心になっているというのは、なんとも不思議な感じがしますね。
王仁三郎自身が富士山を訪れた形跡はありません。しかし、高熊山での霊的体験から始まって、霊界物語の中の天教山、そしてこの「月山不二」の霊石と、王仁三郎が自らの人生、物語において、富士山に特別な意味を読み取り、与えながら、霊的に何度も訪れているのは確かでしょう。
その他の写真も素晴らしいものですし、日本語とエスペラント語の解説も充実しているこの写真集は、やはり一級の資料ですね。
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