モーツァルト交響曲40番のヴィオラパート(大発見!?)
さて、昨日は、横浜でのモーツァルト演奏会 の最終練習がありました。いよいよアンサンブルも練り(盛り)上がってきており、本番が楽しみになってきました。
私はいつものとおりヴィオラ担当です。そう、モーツァルトのヴィオラって、ちょっと変なことをさせることがあって、あんまり得意ではないのですが、(昨日の話からすると)それも私の至らぬところを直してくださるありがたいことなのです。つまりモーツァルトは菩薩の権化(笑)。
そうそう、今日、トランプ大統領夫妻が天皇皇后両陛下のもとを訪れ、大統領は天皇陛下になんとヴィオラを贈ったそうですね。どんなヴィオラなのでしょうか。アメリカ製でしょうけれど、いったい誰の作なのか。お値段は?
実はワタクシ、皇太子時代の陛下とバロック・ヴィオラの弓を共有したことがあるんですよ!まあ、たまたまですけれど。陛下、ちゃんと古楽器も練習しているんですよね。さすが。
さて、モーツァルトの40番に話を戻します。ええと、あの有名な出だしですね。ヴィオラのさざなみのような音型で始まり、そして、あの有名なテーマが…。
で、そのヴィオラの出だしの「さざなみ」(私が勝手にそう思っている)ですが、下の楽譜のように重音で書かれています。まさか、これを一人で「ダブルストップ」で弾くということはないでしょう(不可能ではありませんが、pだし微妙な表現も必要だからほとんど無理)。
そうしますと、いわゆる「div.」(分奏)で演奏することになります。今回の演奏会でもそうで、私は上のパートを担当します。
で、今回、ワタクシ、とんでもない、まさにトンデモなことを思いついてしまったのです。それは…もしかすると、画期的な発見かもしれない?
分奏のしかたのことです。普通はこういう楽譜を与えられたら、上と下で分けるじゃないですか。というか、今までほとんど全ての楽団でそうしてきたと思います。
さっそく、実際にやってみました!ご協力くださった方、ありがとうございます。
そうしたら、案外難しかった。同じ音を正確に並べるのも、ずっとオクターブの跳躍を弾くのも。面白いけれど、現実的には普通の方が弾きやすかった(笑)。で、結局、普通どおりに分奏することにしました。そりゃそうでしょう。しかし、こうして「分析」してみると、その不思議な「さざなみ」の構造が明確になり、モーツァルトの意図が見えてくるような気がします。
というわけで、そんなこともふまえながら、本番の演奏を聴いていただきたいと思います。
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