ゲイリン・リー
いろいろなジャンル、いろいろな天才音楽家の紹介が続いています。今日は障害を乗り越えて、いや、現実社会では障害と言われるモノも、音楽の世界では逆にプラスになることを証明するアーティストを紹介します。
ゲイリン・リー。ご覧になれば、お聴きになればわかるとおり、彼女は脆性骨疾患を患い車椅子生活を余儀なくされていますが、独自に開発したヴァイオリンの奏法、そして彼女ならではの唱法、さらにはテクノロジーによるエフェクトを加え、実に自由な音楽を創造しています。
面白いのは、ヴァイオリン(フィドル)の奏法が、結果として原点に還っているところですね。たとえば、日本の胡弓の奏法とほぼ同じですよね。楽器の構え方、弓の持ち方、楽器を傾けることによる移弦などです。これはアジアの弓奏楽器によく見られる奏法です(実は私も得意)。
また、体が小さいことによって生まれる独特な声質は、普通では得られない天賦の才能であると言えます。いわゆる障害が独特の奏法や表現を生んだ例は、たとえばジャズでは、骨形成不全症(小人症)のミシェル・ペトルチアーニとか、左手が基本3本指しか使えなかったジャンゴ・ラインハルトなどが思い浮かべられますね。音楽が、こうして社会の価値観をいとも簡単に超えてくれることは素晴らしいと思います。
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