唐猫
東大の入試問題の続きです。第二問古文は闌更編『誹諧世説』より「嵐雪が妻、猫を愛する説」が出ました。
誹諧世説は蕉風の復活に尽力した俳人、高桑闌更がまとめた有名な俳人の逸話集です。嵐雪というのは、芭蕉の弟子服部嵐雪のことです。
本文は、嵐雪の奥さんが異常に唐猫を溺愛したのを、嵐雪がある意味嫉妬したんでしょうかね、奥さんが外出したすきにその猫をよそにやってしまうという話です。猫狂いですね。我が家と一緒です(笑)。
まあ、私も猫狂いのカミさんに猫以下の扱いを受けていますから(笑)、嵐雪の気持ちもわからないではありませんけれども、さすがにやりすぎかなあ…。結局バレちゃってますし。
ところで、古文によく出てくる「唐猫」ってどんな猫なのでしょう。
実はよくわからないのです。源氏物語の若菜にも「からねこ」が登場しているんですが、どんな猫なのかはっきりわかりません。
「からねこの、いと小さく、をかしげなるを」
「唐猫の、ここのに違へるさましてなむ侍りし」
とりあえず外来種ということで、日本の猫とは違う外見だったことはわかります。一説では黒猫のことかとも。のちに描かれた絵巻物や絵本では、ぶち猫や三毛猫が描かれていますが、それだと日本猫と変わらないような気がします。やっぱり黒猫だったのではないでしょうかね。
ちなみに枕草子には「猫は、上のかぎり黒くて、ことはみな白き」の一文があり、背中は黒くてあとは白い猫がいいとされていますが、まあこれは清少納言の好みなのでしょう。
ちなみに我が家の「唐猫(舶来猫)」は、やはりチョモでしょう(上の写真)。黒猫で長毛。もしかすると、源氏物語の唐猫もこんな猫だったかも?さすがにそれはないか…。
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