表現者クライテリオンスペシャル「日本の自死」
高校の先輩でもある水島総さんをファシリテーターとした、チャンネル桜の「闘論!倒論!討論!」。いわゆる保守の「今」を知るために時々拝見しています。
今回は「日本の自死」という過激なタイトルで、まさに自死した西部邁さんの後継者たちの討論を聴くことができました。
私も「(過去と現在の)人間の知性を疑う」という意味では保守なのですが、一方で「(未来の)人間の知性を信じる」という意味では革新、いやお花畑だ言われることもよくあります。
実際両面、両翼を持っていて、その先の融合、統合、和合された世界を信じているので、そういう意味では都合のよい夢想家なのかもしれません。
途中、京都大学大学院の川端さんが「皇統の歴史を守ることが世界を救う」と言って笑いを誘っていましたが、どうでょう、本当にそうなのではないでしょうか。
私の尊敬する出口王仁三郎も仲小路彰も、究極はそう言っています。それは一見、極右的思考に見えますが、私からしますと、私も含めてですが、なにかとってもロマンチックなセンスなのではないかとも思えるのです。
科学や経済や政治や言語といった「コト」領域よりも上位次元の「モノ」領域での感覚です。
実のところ、「自死」もとってもロマンチックな言葉です。西部さんも痛いほどのロマンチストでした。彼を慕うこの討論の参加者たちも皆、文化や芸術、そして歴史という文学を愛するロマンチストです。
個人よりも「家(国家を含む)」を大切にするというのも、これは明らかに情緒の産物です。生物の中でも人間だけに与えられた「情緒」。それがあるからこそ、この物質界や情報界を超越した「モノ」世界、「物語」世界とつながることができる。
酒が好きで、歌が好きで、女が好きで…そういう男どもが、こうして元気であることはいいことですね。彼らは男の弱さも知っているのです。それこそが、彼らが、近代という男の世界を信用しない根源的な理由なのです。母の胎内への回帰を夢見ているとも言えましょう。
最後にこんなことを言ってしまっては本当はいけないのでしょうが、思わず一言。自ら死んでいくのもロマンチックなことだとすれば、まあ日本が静かに消えていくのもまた、一つの浪漫的物語なのではないでしょうか。究極的に、人間の存在が地球のためにならないという結論は、もうとっくの昔に出ているのですから。
ならば問われるのは、やはり死に様なのかもしれません。
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