追悼 ドナルド・キーンさん
ドナルド・キーンさんがお亡くなりになりました。震災をきっかけに日本人になったキーンさんは、愛する日本の土に還ることになりました。
現代のどの日本人よりも、ある意味深く日本を理解し愛していたキーンさん。日本人として少し恥ずかしくもあります。
だいたいですね、今回キーンさんにについて書こうかと思ったのですが、実際書こうとしたら何も書けなかったのです。自分でも意外なほどに、キーンさんの本を読んでいなかった。なんとなく尊敬していたというだけで、その功績もよく知らなかったというわけです。
つまり、私なんかよりずっと日本文学、日本文化に詳しかったのはたしか。川端康成や三島由紀夫と懇意だったのは、ある意味キーンさんが外国人だったからでしょう。川端や三島のレベルになりますと、これは意外に感じられるかもしれませんけれども、決して「日本的」ではないのです。地球的であり、宇宙的なのです。
それがたまたま日本という国の風土文化の中で、日本語を使って表現されたから、まるで「日本的」であるように見えるのです。
ドナルド・キーンさんもそういう意味では地球人であり、宇宙人であったということですね。決してアメリカ的ではないし、ご先祖のロシアやユダヤの感じでもない。
それこそたまたま日本語、日本文学、日本文化を通じて、その先にある地球的な、あるいは宇宙的なスケールでの本質を観ていたのでしょう。
「鬼怒鳴門」という当て字がなんとも象徴的です。「鬼怒」で「キーン」、「怒鳴門」で「ドナルド」。「怒」が「掛漢字」になっているところが素晴らしいですね。
ご冥福をお祈りしながら、遅ればせながら著作を読んでみたいと思います。
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